イランの外務大臣を迎え、日・イ両国間の「ビジネス・フォーラム」を開催
2016年12月
2016年12月7日、イラン・イスラム共和国からモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣が来日した機会を捉え、ジェトロは都内で「日本・イラン・ビジネスフォーラム2016」を開催しました。駐日イラン・イスラム共和国大使館と共催した本フォーラムでは、ザリーフ外務大臣のほか同国企業関係者ら4名のスピーカーが、日・イ両国企業や関係機関を含む約400名の聴衆を前にイランの経済政策やビジネス環境について講演し、日本企業にイラン進出を呼びかけました。
フォーラム冒頭の「オープニング・セッション」で主催者挨拶に立ったジェトロの石毛博行理事長は、人口8,000万人の大国イランについて、消費市場としての可能性が大きく、豊富で勤勉な若年労働者に加え、自動車、重工業、医療・健康など活発で多様な産業がある、と述べました。またイラン側には、日本企業が現地で活躍できるようビジネス環境を整備してほしいと要望するととともに、日本企業には、ビジネス機会を逸することなくこの変化の波に乗り遅れないでいただきたい、と呼びかけました。
続いて挨拶したレザー・ナザリアーハリ駐日イラン・イスラム共和国特命全権大使は、16年2月に日・イ両国間で二国間投資協定が締結されたのを機に、両国企業によるビジネス交流は、今後さらに加速していくだろうと期待感を示しました。また、今回ザリーフ外務大臣に同行して来日したイラン企業関係者ら約100名の中には、経済財務省、中央銀行、商工会議所などの代表も含まれていると紹介しました。
開会挨拶する石毛理事長
来賓挨拶を行った経済産業省の赤石浩一通商政策局審議官は、資源だけに依存しない強固な産業基盤を有するイランには、日本企業にとって幅広い産業分野でのビジネスチャンスがあると述べました。また両国間の投資協定に触れ、こうした政府間の取り組みに沿って両国間のビジネスが一層拡大することを期待したいと付け加えました。
基調講演を行ったザリーフ外務大臣は、日本は尊敬すべきパートナーであり、イラン国内でも日本ブランドの評価は高いと述べるとともに、経済制裁の解除を受けたイランに再び日本企業が進出して来てほしい、と呼びかけました。また、イランビジネスの魅力として、科学技術分野を中心とした優秀で豊富な人材を擁し、安定した治安とインフラ開発によって商機が拡大している点を挙げるとともに、さらに中東ビジネス拠点としての可能性も期待できる、と述べました。
このほか、イラン商工会議所のゴラム=ホセイン・シャーフェイ会頭、テヘラン商工会議所のマスード・カンザリ会頭を初めとするイラン産業界の代表6名が、イランの有望産業や日本企業との連携可能性について講演を行いました。最後に、ジェトロ・テヘラン事務所の中村志信所長がイランの最新政治経済情勢について説明し、フォーラムを締めくくりました。
なお、講演の後には、企業交流会・商談会としてイラン企業と日本企業が活発に交流し、予定の時間を越えても商談を続ける姿がみられるほどの盛況ぶりでした。
基調講演するザリーフ外務大臣
「日本・イラン・ビジネスフォーラム2016」概要
日時 | 2016年12月7日(水曜) 10時00分~13時00分 |
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会場 | ホテルオークラ東京別館地下2階 アスコットホール |
主催 | ジェトロ、駐日イラン・イスラム共和国大使館 |
後援 | 経済産業省、外務省 |
次第 |
10時00分
10時55分
11時35分
12時00分
13時00分 |