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ジェトロ・トピックス

「バグダッド国際見本市」で最大規模のパビリオン設営

復興から成長に向かうイラクで日本ブランドを総合発信

2013年10月

2013年10月10日~20日の11日間、ジェトロはイラクの首都バグダットで開催された「第40回バグダッド国際見本市」に昨年に引き続いて参加、参加各国のナショナル・パビリオン中、最大規模となるジャパン・パビリオンを設営しました。建設機械・自動車・電気機器・医療機器・ベビー用品など、現地販売代理店を含む22社・5団体が参加したジャパン・パビリオンでは、わが国の文化・観光・食・ファッションなども紹介され、来場したイラク側政府関係者から高い評価を受けました。

日本の存在感を強くアピール‐イラク政府要人も相次いで来訪

1964年から開催されているイラク最大の総合見本市「バグダッド国際見本市」は、第40回目を迎えた今回、17カ国・地域から約700社が出展し、会期中の来場者は約200万人(主催者暫定速報)を記録しました。

米国・ドイツ・フランス・トルコ・イタリアを始めとする各国がナショナル・パビリオンを設け、それぞれ自国ブランドの存在感をPRする中、ジャパン・パビリオンには、シャハリスターニ副首相を初めイラク政府要人が相次いで来訪しました。

ズィーバーリー外相、バービキル貿易相、ガドバン首相府顧問会議議長、アル=アーラジー国家投資委員会(NIC)委員長が出席したジャパン・パビリオン開会式では、「今回の見本市における日本の存在感は、貴重な一歩であり、これまで以上に両国企業間の交流が深まることを期待する」(バービキル貿易相)など、日本企業によるビジネス促進に対するイラク側の高い期待が示されました。

副首相や貿易相が相次ぎ会場を巡覧

ジャパン・パビリオン開会式テープカットの模様

主催者・来場者より高い評価を受けたジャパン・パビリオン
ベスト・パビリオン賞とベスト・オーガナイザー賞を受賞

屋内展示で2つのホールを使用、屋外にも建設機械や自動車などの大型実機を展示したジャパン・パビリオンは、パビリオン出入り口に設けられた日の丸と富士山をイメージした印象的なファサード(正面入口)と相まって、全体としてPR効果の高いインパクトのあるパビリオンとなりました。

日本側関係省庁・機関の活動を紹介するコーナーに加え、“Japan Introduce Corner”(以降下、“JIC”略)としてわが国を総合発信するコーナーを設けたのも特徴のひとつとなった今回のジャパン・パビリオンですが、例えばJICでは、「都市文化」「食」「観光」「四季」などを表現するパネル展示に加え、J-POP関連の映像やファッション文化を放映しました。

前回参加時(※)に大好評を博した日本のアニメキャラクター「UFOロボ グレンダイザー」などのパネルや映像には、来場者の多くが足を止め、記念撮影をする姿が見られました。また「手にとって」理解してもらうため、JICの一画に設けた日本のファッション雑誌の配架コーナーも、女性の来場者をひきつけました。在イラク日本大使館による書道教室や着物の着付け教室など、文化イベントも開催され、いずれも大盛況となりました。
※参考: 見本市レポート:バグダッド国際見本市(2012年11月1~10日)

イラク政府要人・関係者が相次いで訪れたジャパン・パビリオンですが、アニメなどを通じてわが国に関心を持った一般の来場者の中にも、会期中に何度も足を運ぶリピーターの姿が見受けられました。こうした来場者の多くからは、ジャパン・パビリオンに対する「この見本市の中で一番良いパビリオン」とのコメントが寄せられました。

こうした評価の高さを受け、ジャパン・パビリオンは、昨年に続いて2度目となる「ベスト・パビリオン賞」を、またジェトロは、「ベスト・オーガナイザー賞」を主催者より受賞しました。

来場者から好評を博した“Japan Introduce Corner”

大盛況の書道教室、着付け教室など文化イベントはイラク人の日本への関心をうかがわせた。

消費者に近い販売チャネルの構築が課題

今回のジャパン・パビリオン出展参加を通じ、イラク側には、経済・文化交流に留まらず、イラクへのビジネス活動を積極化しようする日本側の姿勢を示すことができたと感じています。

年に1回開催される総合見本市であり、来場者の大半が一般消費者である「バグダッド国際見本市」は、出展した日本企業の大半が自社ブランドのPRの場と位置づけているとみられます。「直接に顧客となり得る消費者が多く来場したため、PR効果として(出展効果は)非常に高い」(一般消費者向け製品メーカー)といったコメントからも、それは窺えます。

他方、「イラク政府関係者も数多くブースに来場し、自社製品を紹介することができた。現在の治安状況下、イラク国内での顧客探しには限度がある中、このような機会は貴重である」など、イラク側関係省庁とのネットワーキング構築を重視する企業も見受けられました。実際、見本市会場には、一般企業のみならずイラク側の電力省、農業省、水資源省、国家投資委員会など、主要な省庁もパビリオン出展しており、これらの省庁関係者が来場する機会を活かし、政府関係者とのネットワーキング構築をビジネスチャンスに結びつけることも可能とみられます。

出展企業によるプレゼンテーションの模様

ジェトロでは今回の出展参加に先立ち、イラク・ビジネス界や関係省庁への事前広報活動を通じ、ジャパン・パビリオンの広報に努めたほか、会期中には、パビリオン内で、出展企業4社による来場者向けの企業・製品PRのプレゼンテーションを、初めて実施しました。

こうした商談支援の中で、浮かび上がってきた対イラク・ビジネスの課題のひとつが、消費者に近い販売チャンネルの構築でした。来場したビジネスマンや一般消費者から多く寄せられた、「会場で日本製の電子機器・家電製品などを購入できるか?」という問い合わせからは、日本ブランド・製品・技術への高い信頼感を持ちつつも、購入機会に恵まれないイラクの消費者の姿が浮かび上がってきます。

電気機器関連の現地販売代理店関係者は、ジェトロのインタビューに対し、「中国・韓国製品などが第三国経由でイラクに輸入され、市場であふれている中、どのように日本製品の販売チャネルを開拓し、維持・拡大していくかが、今後の重要かつ緊急の課題だ」とコメントしました。

経済の復興過程にあるイラクにおいて、日本ブランドの発信やビジネスの足場作りをどのように支援していくかなど、今回の見本市はジェトロの今後の取組みにも多くの課題を提示したといえます。

第40回バクダッド国際見本市 概要
名称
第40回バグダッド国際見本市
会期
2013年10月10日(木曜)~10月20日(日曜)
開催地
イラク・バグダッド
会場
バグダッド国際見本市会場
主催者
イラク貿易省、イラク見本市公社
出展者
18カ国から約700社が参加(前回:20カ国から約1,500社。)。ナショナル・パビリオンとしては米国、ドイツ、フランス、イラン、トルコ、イタリアなどが出展。各国パビリオンでは、自動車や建機など大型実機の他、イラクの代理店による各種消費財を展示。
日本企業では、家電、自動車・同部品、医療機器、工具・機械などの分野で代理店を中心とした出展(ブラザー、キャノン、コニカ、伊藤忠商事(スズキ自動車)、豊田通商(いすゞ自動車)、島津製作所、テルモ、マキタガルフ、日立工機など)。
対象分野
総合
ジャパン・パビリオン 概要
主催
ジェトロ
協力
外務省、経済産業省、国際協力機構(JICA)、中東協力センター(JCCME)
展示協力
国際交流基金、国際観光振興機構(JNTO)、日本ファッション協会(JFA)
参加ホール
バクダッド国際見本市会場内 8号館、9号館
参加規模
2,541平方メートル
展示面積
約1,000平方メートル(うち商業ブース約750平方メートル、政府広報ブース約250平方メートル)
参加者数
22社・5団体 ※ジャパン・パビリオンホールの屋外スペースにも日本企業6社が出展