ジェトロ・トピックス

ペルー・ボリビア両国へ「BOP/ボリュームゾーンビジネス・ミッション」を派遣

次なる有望市場に挑む

2014年3月

ジェトロは2014年3月2日(日曜)~2014年3月10日(月曜)の9日間、南米ペルーのリマ、ボリビアのサンタクルスの両都市に向け、「BOP/ボリュームゾーンビジネス・ミッション」を派遣、わが国9企業・団体から合計10名が参加しました。ミッション一行は、家庭訪問や小売市場の視察を通じて、消費欲旺盛な現地BOP層・中間層の拡大を確認するとともに、地場・日系企業への訪問を通じて、現地ビジネス環境に合わせた市場展開の手法などを学びました。

有望新興市場の開拓に向けて

GDP総額がASEAN10カ国を上回り、好調な経済活動による消費市場が拡大によって、「ポスト・アジア市場」の一つとして注目を集める中南米地域ですが、中でも近年平均6%の安定成長を続けるペルーは、人口の約7割が39歳未満であり、この人口ボーナス期は今後とも続くと見込まれています。一方ボリビアも、GDP成長率が4.9%(過去5年の平均)であるなど、鉱業・炭化水素分野や農業分野を中心に高い経済成長潜在性を有しています。

今回ジェトロが中南米地域でのBOPビジネス展開・ボリュームゾーン市場開拓の支援を目的にペルー・ボリビア両国に派遣したミッションは、現地消費者の生活実態や企業のビジネス事例の把握を通じて、参加日本企業に具体的なビジネス・アイデアを醸成する機会を提供しました。

4つの視点から現地ビジネスのアイデアを考える

本ミッションのプログラムは、1.家庭訪問を通じたBOP層/中間層の生活実態視察、2.伝統/近代的小売市場の視察、3.企業訪問を通じたBOP/ボリュームゾーン・ビジネス先行事例の情報収集、4.現地パートナー候補とのネットワーキング、の4項目から構成されました。

1.生活実態視察(家庭訪問)

ペルーでは、リマ市内で個人商店を経営する家庭、リマ市近郊の新興中間層および農村地域の家庭、ボリビアではサンタクルス近郊のBOP層の家庭を訪問し、保有する家電製品や電気・水道等の生活インフラの整備状況を確認しました。

ペルーで訪問した新興中間層家庭は、質素な住宅外観ではありながら、テレビ、・パソコンなどの家電製品を保有しており、着実に購買力をつける同国中間層の日常イメージを実感しました。他方、下水道が整備されず、排泄物を貯蓄するタンクを地中に設けなければならないなど、人口増に伴う新興区家庭の課題も目の当たりにしました。ミッション参加企業の多くは、この訪問を通じ、自社製品・サービス活用・導入のヒントを得ることができたものと考えられます。

ペルー 新興中間層地域の家庭訪問

ボリビア 都市部BOP層の家庭訪問

2.小売市場の視察

ミッション一行は、ペルーでは伝統的個人商店、ボリビアでは伝統市場を視察、さらに両国でスーパーマーケットを視察しました。

ペルーのスーパーマーケットでは、店舗責任者より説明を受けた、来客者数が1日平均3,000人を超えること、家電製品は最大24カ月の分割払いを利用して購入するなどの情報から、拡大する中間層の存在を実感しました。小売業で大きなシェアを占める「ボデガ」と呼ばれる伝統的な個人商店の経営者からは、加工食品はメーカーや卸売の営業担当が在庫を確認して商品を補充する一方、生鮮食品は経営者自らが青果市場に買い付けにいくなど、ペルーの流通事情やペルー国民の消費性向について興味深い話を伺いました。

朝方から多くの消費者で賑わうボリビアの伝統市場では、食料品や日用雑貨、家電製品まで幅広い商品が取り揃えられている様子を確認しました。

ペルー スーパーマーケットの様子

ボリビア 伝統市場の視察

3.現地・日系企業訪問

ペルーでは、拡大する中間所得層の消費需要を取り込もうとする地場・日系メーカーや日系ペルー人経営の農業グループを視察するとともに、社会的課題に取り組む地場企業や団体を訪問しました。現地飲料メーカー「アヘグループ」では、配送システムに地元のタクシーやトラックの運転手を活用し、クチコミ広告を中心として炭酸飲料製品の認知度を高め、低価格帯を維持しつつシェアを高める工夫について説明を受けました。農業グループ「フクダ・グループ」では、地元零細農家への輸出産品育成ための技術指導や従業員への住居提供など、日本移民であった祖父母の相互扶助精神を経営に生かしている事例を見聞しました。

ボリビアでは、地場の卸企業や乳製品メーカー、日本人移民・日系人の農業組合を訪問しました。地場卸企業では、対象所得層を絞らず、自社トラックでスーパーマーケットから伝統的個人商店まで幅広い商品流通を展開する様子について、また地場乳製品メーカーでは、栄養価の高い乳製品を1袋10円程度の袋入り飲料にして販売するなど、低所得者層でも購入し易くする工夫について知見を広げました。

ペルー 農業経営グループの加工工場視察

ボリビア 現地流通企業の流通センター視察

4.パートナー候補とのネットワーキング

現地企業および関係団体との交流会をペルー・ボリビア両国で開催した他、ペルーでは進出日系企業との交流会を開催しました。現地企業・関係団体との交流会は、率直な意見交換の場として、進出日系企業との交流会では、日本企業から見た現地市場の特性などについて学ぶ機会として、それぞれ有益な時間を過ごすことができました。

本ミッションを通じて、参加企業はペルー・ボリビア両国の実態に触れ、両国消費市場の魅力を実感しました。ジェトロは引き続き、日本企業によるBOP/ボリュームゾーンビジネスの支援に取り組んで参ります。

ミッション 概要
派遣期間
2014年3月2日(日曜)~3月10日(月曜)(9日間)
派遣先
ペルー(リマ)、ボリビア(サンタクルス)
参加者
9企業・団体 計10名
事業目的
日本企業によるBOP/ボリュームゾーンビジネス参入の促進
ミッションプログラム
  1. 家庭訪問を通じたBOP層/中間層の生活実態把握
  2. 伝統/近代的小売市場の情報収集
  3. 企業訪問を通じたBOP/ボリュームゾーンビジネス先行事例の把握
  4. 現地パートナー候補とのネットワーキング
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