ジェトロ・トピックス

「エチオピア・ケニア BOPビジネス・ミッション」派遣 - ビジネスアイディアを探して

2013年10月

ジェトロは2013年10月5日(土曜)~12日(土曜)の8日間、エチオピアのアジスアベバ、ケニアのナイロビへ「エチオピア・ケニアBOPビジネス・ミッション」を派遣、11企業・団体から合計12名が参加しました。BOP層の生活実態の視察、製造・卸企業の訪問等を通じて、両国の消費市場の潜在力、消費性向の把握及び輸入・製造の現場から小売流通に至るサプライチェーンの実態を学ぶミッションとなりました。

今こそ、アフリカBOPビジネス!

2013年は5年に一度の「第5回アフリカ開発会議(TICADV)」の年であり、日本企業のアフリカへの認知・関心度が高まりました。実際のビジネス、特にBOPビジネスはハードルが高いと考える企業も多いなか現場を見ないことには始まらないのも事実です。アフリカBOPビジネスのヒントが欲しい、こうした日本企業の方を対象にジェトロは、ビジネスプラン構築のための最前線の情報収集を目的としてエチオピア・ケニアにミッションを派遣しました。

エチオピアは人口約8,700万人というアフリカ第2位の人口規模を有し、2012年の経済成長率は8.5%で、9年連続、平均10.3%の著しい経済成長率を維持しています。ビジネス環境の整備にも力を入れており、今後の消費市場として期待されています。

ケニアはアフリカに進出する日系企業の進出数が南アフリカ、エジプトに次ぐ第3位に位置し、東アフリカ圏の内陸国への入り口、東アフリカ共同体のハブとしても注目を浴びています。

ジェトロは本ミッション派遣を通じ、現地の消費性向やビジネス構造への理解、エチオピア・ケニアにおける具体的なビジネスアイディアやビジネスニーズの情報収集を行う機会を提供しました。

ビジネスアイディアは現場にある

本ミッションのプログラムは、1.農村部/都市部BOP層の生活実態の視察(家庭訪問)、2.現地ビジネス構造(流通構造)の把握、3.現地企業・既進出日系企業との交流会から構成されました。

1.BOP層の生活実態の視察(家庭訪問)

エチオピアではアジスアベバ近郊の農村部の家庭訪問を行い、家電等を含む生活用品の普及状況を視察すると同時に、住人へのインタビューを通じて職業や主要収入源、年収、電力・水道等の生活インフラの整備状況、病院や学校へのアクセスなどについて情報を収集しました。

また、ケニアではナイロビ近郊の都市部の家庭を2箇所訪問し、月収1万円程度(上位BOP層)、月収3万円程度(下位中間層)の2家庭を訪問・比較しました。特に上位BOP層の家庭では、携帯電話が単なる通信手段ではなく経済的・社会的なライフラインになっている実態が明らかになりました。例えば、母親は生活費が工面できない時には親戚からM-PESA(※)で資金援助を受けていました。日雇い労働で働くこともある父親は「たとえ体調不良でも携帯電話で親方に連絡すればこれまでのように無断欠勤で解雇されることもなくなった」と話していました。この父親が利用している携帯電話キャリアは「Please Call Me!」というショートメッセージサービス(SMS)を1日4通まで無料で送信できるサービスを行っていて、まさにBOP層のニーズを捉えたビジネスモデルが展開されている実態を垣間見ることができました。

※ケニアの通信会社Safaricomと英国のボーダフォンがケニアで始めた携帯電話利用の送金サービス。

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エチオピア 農村部BOP層の家庭訪問

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ケニア 都市部上位BOP層の家庭訪問

2.現地ビジネス構造(流通構造)の把握

エチオピアでは現地の大手輸入企業を訪問し、同社のディストリビューションセンターや卸売りセンター等を視察しました。この企業では、輸入品が到着する隣国ジブチの港にアジスアベバまでの配車計画を柔軟に組み立てられるよう自社スタッフを配置しています。特に国際機関による緊急援助が実施される場合、ジブチのトラックの多くが輸入された援助物資の運搬に割かれてしまうため、緊急援助の動向も常にウォッチしておかなければならないのです。参加企業はこうしたアフリカ特有の事情にビジネスの難易度を感じながらも、同時に日常的に難局と戦っているエチオピア企業の逞しさに感銘を受けていました。

また、ケニアではコカ・コーラ社を訪問し、商品を国の隅々まで行き渡らせる際の戦略と課題について話を聞くことができました。価格帯の設定基準として手に取ることのできる価格帯は、日々の支出額のうち2~3%、現地での主な移動手段である乗り合いバスの運賃の2割程度等という具体例を聞くことができました。その上で、販売店の壁や看板に希望小売価格を大きく張り出すことの重要性が強調されました。それは、コカ・コーラ社が売る側/買う側のどちらか一方に利益が偏らないような価格設定をしているため、取引価格を予め明示することが安定的なビジネスにつながるという理由からです。また、同社のキオスク訪問およびキオスクのオーナーへのヒアリングを通じて、専用冷蔵庫の提供や小売価格の表示戦略など、同社で聞いた内容がしっかりと現場まで浸透していることを確認し、理解を深めることができました。

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エチオピア 大手輸入会社訪問

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ケニア コカ・コーラのキオスク訪問

3.現地企業・既進出日系企業との交流会

現地企業との交流会および既進出日系企業との交流会をエチオピア・ケニア各国にて開催しました。現地企業との交流会では参加企業の関心分野に合う現地企業を招いて情報収集を行うネットワーキングの場としました。進出日系企業との交流会では、日本企業の立場から見た現地事情について情報収集を行う機会としました。特に進出日系企業との交流を通じて、現地でビジネスを行う苦労や工夫について率直に意見交換をすることができ、参加者双方にとって活力を得る場となりました。

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エチオピア 現地企業との交流会

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ケニア 現地企業との交流会

ミッションの参加者からは「現場を見たことが何よりの成果」との声が寄せられました。ミッション全体を通じて、参加者は現地消費者の消費性向とビジネス構造への理解を得て、実ビジネスに繋げるアイディアについて考えるミッションとなりました。ジェトロでは引き続き、日本企業によるBOPビジネスへの支援に、今後ますます力を入れていきます。

ミッション 概要 

派遣期間 2013年10月5日(土曜)~10月12日(土曜) (8日間)
派遣先 エチオピア(アジスアベバ)、ケニア(ナイロビ)
参加者 11企業・団体 計12名  
事業目的 次のプログラムを通じた日本企業によるBOPビジネス参入の促進
  1. BOP層の生活実態の把握
    農村部、都市部のBOP層の家庭訪問、インタビュー
  2. BOP層の消費性向に関する情報収集
    工場の労働者や伝統的小売店主等BOP層へのグループインタビュー
  3. 現地ビジネス構造(流通構造)の把握
    現地/外資/日系企業訪問、ディストリビューションセンター・卸売りショップ等の視察

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