外資の対日投資成功事例 - サクセススト-リ-チンバンアウトソーシングジャパン合同会社

産業:ICT

PDF版PDFファイル(382KB)

ベトナムのIT企業グループTinhvan Technology JSC.のソフトウェア受託開発(オフショア開発)部門Tinhvan Outsourcing JSC.が、2016年10月、チンバンアウトソーシングジャパン合同会社を東京に設立。Tinhvanグループは、ベトナムを代表するIT企業の一つであり、日本法人では既存顧客との関係強化や、新しい事業領域の確立を狙う。


Tinhvanグループ(以下、Tinhvan)は、Tinhvan Technolgy社(現在はグループ名)として、1997年にベトナム・ハノイで創立され、以来、ソフトウェア開発を中心にIT企業として発展を遂げてきた。現在、グループ6社で従業員500名以上を有するベトナムを代表する企業の一つである。また、ベトナム国内のIT技術協会による賞を数多く受賞するなど、その技術の高さに定評がある。
Tinhvanグループの一つ、Tinhvan Outsourcing JSC.(以下、TVO)は海外企業のソフトウェア受託開発(オフショア開発)を行う企業として、2006年に設立。現在は日本とシンガポールで顧客を有しており、シンガポールには拠点も設立している。日本企業からのオフショア開発の受注量を増やすことを目的に、TinhvanとTVOが共同で全額出資する形でチンバンアウトソーシングジャパン合同会社(以下、チンバン)を設立。日本での既存顧客との関係性強化や、新しい事業領域の確立を狙う。

日本進出の理由と背景

ベトナムは、近年の経済発展に伴い、国内のIT市場が急速に拡大しているが、中国やインドなどと比べて人件費が安価であることなどから、オフショア開発市場も伸びているという。特に、親日的で、真面目で向上心がある、日本との時差が少ない(約2時間)などの理由で、日本企業からの人気は高く、日本向けにオフショア開発を行うベトナム企業が増加している。
TVOおよび、チンバンの代表取締役であるNguyen Ich Vinh(グェン イツ ビン)氏は日本進出の理由について以下のように語る。「一つは、日本にいる既存の顧客との関係性を深めるためには、中継地点として日本に拠点を作ることが必須であった。そしてもう一つは、日本は外国企業が日本でビジネスを行うにあたって、それを支援してくれる環境が整っていた。それが我々の日本進出の背中を押してくれた」。
人気のベトナムオフショア開発であるが、最近では、ベトナム企業以上に低価格でサービスを提供するミャンマーやバングラデシュの企業が台頭し始めており、より一層顧客ニーズを満たしていくために顧客との距離を縮めることは重要な課題であった。
また、Vinh氏は日本の支援機関について、「ジェトロやJICA、日本の大使館など、いろいろな機関が私たちに情報提供や活動のサポートを行ってくれた。そうした環境があったことが、私たちが進出先に日本を選んだ理由の一つだ。外国企業に対するそうしたサービスがなければ、我々は何をすればよいか分からなかっただろう。日本は市場の大きさや可能性も魅力的であるが、それと同じくらいに、外国企業でもビジネスのしやすいことが日本の魅力だ」と話す。

TVOの職場風景(ベトナム・ハノイ)

TVOの強みと日本での課題

TVOはベトナム企業ではまだ数少ないCMMI(能力成熟度モデル統合)-L3、ISO 9001とISO 27001といった認証を取得した、国際的技術基準を満たしたIT企業である。一方で、リーズナブルな価格設定を心がけており、高品質・低価格が同社の強みだ。また、見過ごされがちだが、他社と比較した際、離職率の低さ(定着率の高さ)も強みの一つであるという。Vinh氏は「我々の企業文化として、『企業の発展と従業員の幸せを通じて社会に貢献すること』を大切にしており、従業員満足度はとても大事に考えている。例えば社内レクレーションを充実させるなど、従業員が楽しいと思える会社の雰囲気作りは一生懸命頑張っている。おかげで比較的離職率は低く、担当者も変わらず維持できるので、顧客からの信頼も得られている」と話す。
一方で、知名度の低さを日本進出後の当面の課題に挙げる。「ベトナムのTinhvanという会社名に反応する人はまだ少ない。営業においては、まずは距離が近くなった既存顧客との仕事でしっかりと実績を積んでいき、新しい事業領域や新規顧客開拓につなげていく。日本人の雇用については、小規模の海外ベンチャー企業だからこそ、世界をまたに掛け決定権を持ち、ダイナミックな仕事ができることや、当社の従業員を大切にする文化などを伝え、共鳴してくれる人を採用したい。当社の活動が、今後、他のベトナム企業が日本進出をする際のモデルになればと考えている」。

日本とベトナムとの架け橋に

Vinh氏は日本企業との協業に関する今後のビジョンについても語ってくれた。「現在日本にあるソフトウェアサービスをベトナム国内でも普及させたり、日本企業の優れた開発能力をベトナムにおける事業でも活用できるように、日本企業とベトナム企業をつなぐ活動をしていきたい。ベトナムは大変な親日国家で、日本と関わる仕事をしたいと考えている人はとても多い。当社の活動が日本とベトナムの友好の架け橋になるようビジネスに取り組んでいきたい」と意気込む。

ベトナムでジェトロが開催した対日投資セミナー(2016年7月)に Nguyen Ich Vinh氏が登壇(右から2番目)

ジェトロのサポート

同社の日本法人設立に際し、ジェトロ対日投資・ビジネスサポートセンター(IBSC)は、テンポラリーオフィスの貸与、会社設立手続き支援、物件探し・人材探し、インセンティブ情報の提供、マーケット情報提供等の支援を行った。ジェトロのサポートに対して、「ベトナム国内にいる時から長きに渡って積極的にサービスを提供してくれた。日本に来てからは特に、テンポラリーオフィスの無料貸与は大変助かった。おかげで会社設立に関する時間とコストが大幅に削減することができ、難しいと思っていた日本への投資に自信がついた。今後、日本で事業展開する際もいろいろとサポートをお願いしたい」とVinh氏は述べた。

(2017年1月取材)


同社沿革

1994年 ベトナム・ハノイにてTihnvanテクノロジー設立(1997年7月公式に創立)
2006年 Tinhvan OUTSOURCING JSC. (TVO) 設立

チンバンアウトソーシングジャパン合同会社

設立 2016年
事業概要 ソフトウェア受託開発(オフショア開発)
親会社(グループ) TinhVan OUTSOURCING JSC.(Tinhvanグループ)
住所 〒141-0031 東京都品川区西五反田1丁目11番1 アイオス五反田駅前ビル10階1003号室
URL http://tvo.jp/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

ジェトロの支援

  • テンポラリーオフィスの貸与
  • 会社設立手続き支援
  • 物件探しの支援
  • 人材探しの支援
  • インセンティブ情報の提供
  • マーケット情報の提供

お問い合わせ

フォームによるお問い合わせ

ジェトロ対日投資部

お電話によるお問い合わせ

ジェトロ対日投資部

拠点設立・事業拡大のご相談:外国企業支援課
Tel:03-3582-4684

自治体向けサポート:地域連携課
Tel:03-3582-5234

その他の対日投資に関するお問い合わせ:対日投資課
Tel:03-3582-5571

受付時間

平日9時00分~12時00分/13時00分~17時00分(土日、祝祭日・年末年始を除く)