外資の対日投資成功事例 - サクセススト-リ-AKA合同会社

産業:ICT/その他製造業

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AKA(エーケーエー)合同会社は、現在、世界的なブームとなっている人工知能エンジンおよび人工知能が搭載されたソーシャルロボット「Musio」を開発・販売する米国のスタートアップ企業。同社は2015年11月、東京に日本法人を設立した。一般家庭にもロボットを普及させるため、「英語学習サポート」という付加価値を付けて、日本市場のニーズに応えようとしている。同社の日本市場進出の背景や今後のビジネス展開について、日本法人最高戦略責任者(CSO)のブライアン・リー氏に、話を聞いた。


AKAは2009年に米国カリフォルニア州で設立されたスタートアップ企業で、人工知能が搭載された英語学習をサポートするソーシャルロボット「Musio(ミュージオ)」の開発・販売を手がける。2015年11月に東京に日本法人を設立し、2017年4月、家電量販店やオンラインショップ(公式HP以外)でMusioの一般発売を開始した。
Musioは内蔵カメラでユーザーの顔や物を認識し、内蔵マイクでユーザーの声や話を認識する。また、大量のデータから特徴を見つけ出して学習し、認識精度を向上させる独自開発の「ディープラーニング(深層学習)」基盤のエンジンが搭載されている。このエンジンを活用して情報を処理し、言語・表情などで思考や感情を表現している。日本で今注目されている、「人工知能」、「ロボット」、「英語学習」という3つの事業を同時に展開していることから、同社への関心は高く、製品発表会には多くの取材陣が会場に押し寄せ、100以上ものメディアに取り上げられた。
AKAは、パソコンや携帯電話が人々の生活インフラとして普及したように、「一家に一台のロボット」の普及を企業ビジョンとしている。同社日本法人最高戦略責任者のブライアン・リー氏は、「人間にとって『会話』はとても大切なものである。本当の人間のように会話をするソーシャルロボットの普及を通して、いろいろな形で人々の生活をサポートしていきたい」と語った。

ロボットに親近感を抱く日本

同社は、「ロボットと人間は友達になれる」という想いのもと、「宇宙からやってきた」というコンセプトで、AIロボットのMusioをデザインした。このコンセプトを実現化させるにあたり、インターネット上で不特定多数の人から資金調達をすることができるクラウドファンディングのサイトを利用して、ロボットを事前購入してくれる支援者を募った。サイト上で購入してくれた人の半分以上が日本人だったことが、日本市場進出の決め手となったという。
「日本人は幼い頃から、ドラえもんや鉄腕アトムなどロボットが登場するアニメや漫画を見ながら育った。そのため、他国よりもロボットに対して親近感がある。また、日本ではキャラクターの形をしたロボットを最も多く製造、販売している。市場としても、日本が最も大きいと感じた」と、リー氏は日本への進出背景について語った。

「英語学習」機能の付加で一般家庭へ

同社は、一般家庭にもロボットを普及させるため、「英語学習サポート」という付加価値をつけ、他社と差別化し、販売をしている。「日本では小学校の英語教育義務化、大学受験でのスピーキングテスト導入やビジネスの現場での英語公用語化など、様々な場面で英語に対するニーズが高まっている。また、2020年に東京オリンピック・パラリンピックも控えており、政府は英語教育のサポートに力を入れている」と、日本における英語教育市場の魅力について述べた。

Sophy(右)は専用の英語教材から学習内容を読み込み、AIロボットのMusio(左)へ転送する機器。Musioが転送された内容を話す。

ロボットは1台10万円という価格ではあるが、英会話の場を求めている人にとっては、ロボットを一度購入すれば、ロボットと無限に会話をすることができるため、英語講師を雇うよりも費用対効果が高い。現在は、子供に英語教育をさせたい親子をターゲットに、ロボット、専用の英語教材、学習内容を読み込みロボットへ転送する機器Sophy(ソフィー)をセットにして販売しているが、今後はビジネスシーンにおける会話や大学入試にも対応可能なプログラムを導入し、大人向けにも訴求していくという。また、同社はMusioのファンを増やすため、小説、アニメ、漫画等の関連商品を製作するなど、エンターテインメント事業にも力を入れている。

日本におけるビジネス環境の変化

同社は現在、米国、韓国、ドイツ、香港、そして日本に拠点を置き、グローバルに展開しているが、規模は50人程の小さなスタートアップ企業である。しかし、日本ではすでに多くの大手企業と提携してビジネスを行っている。Musioのコンテンツ開発は学研プラス、Musioが故障した際の修理はVAIO、Musioの販売及びカスタマーサービスはソフトバンク コマース&サービス、MusioのB2B販売及び実証実験はGlobal Visionとそれぞれ協力をして事業を進めている。
同社が東京に進出する際は、パートナー探しや市場調査といった支援を、東京都や紹介先のコンサルタント企業から受けたという。「日本政府も日本企業も、外国企業が日本でビジネスをすることに対してオープンになったのではないか。小さいスタートアップ企業でも良いビジネスさえあれば、会社の規模を問わずビジネス提携を検討してくれる。ビザや規制緩和といった点でも日本でビジネスをしやすくなったと感じている。ジェトロからも情報提供やPR支援等のサポートをしていただき、とても助かった」とリー氏は述べた。

Made in Japanのロボット

同社は、ロボットのハードウェアの製造拠点も韓国から日本に移す予定だという。きっかけは、東京都から紹介された新潟県の柏崎ユーエステックの存在だ。技術力の高い日本のものづくり企業と協力し、日本で製造、共同開発を行うことで、より質の高いロボットの開発に繋げられるのではないかと、大きな期待を寄せている。現在、英語エンジンの開発に加え、日本でもエンジニアを採用し、日本語エンジンの開発にも注力している。「英語教育だけではなく、会話をすることで認知症予防としてもロボットを活用してもらい、様々な形で人々の生活をサポートしていきたい。まずは、日本国内でビジネスを成功させることに集中していく」と、リー氏は日本でのビジネスに対する意気込みを語った。

AKA合同会社 CSOのブライアン・リー氏

(2017年6月取材)


同社沿革

2009年9月 米国・カリフォルニア州にてAKA LLCを設立
2015年11月 東京都に日本法人AKA合同会社を設立
2016年4月  日本にて人工知能ロボットMusioの一般発売を開始

AKA合同会社

設立 2015年11月
事業概要 人工知能ロボットの開発・販売
資本金 900万円
親会社 AKA LLC
住所 〒153-0051 東京都目黒区上目黒3-1-14 メイツ中目黒501号室
URL https://themusio.com/home外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

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