外資の対日投資成功事例 - サクセススト-リ-テネコジャパン株式会社

産業:自動車関連

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米国の自動車部品のグローバルサプライヤーであるTennecoの日本法人・テネコジャパン株式会社は、2016年4月に横浜テクニカルセンターを本格稼動した。エンジンダイナモ2機を新たに設置するなど、日本国内での設計開発能力を向上させ、グローバルに展開する日本企業本社の開発設計を支援することで、顧客の国内、海外生産へのサポート体制を強化。また、自動車分野のほか、船舶、農機、建機などの日本市場でのシェア拡大を目指す。


米国のTennecoは、自動車部品の開発、製造、販売メーカーとして成長を遂げてきた。 同社は世界中の自動車メーカーに製品供給をしており、現在では、年間売上高約82億ドル(約9,240 億円)、グループ従業員数約30,000人、世界各国に90以上の生産拠点、15のエンジニアリングセンターを有する、自動車部品のグローバルサプライヤーとして躍進している。

自動車部品のグローバルサプライヤー

Tennecoは、クリーンエアー及びライドパフォーマンス製品を主力に、自動車部品のTier1サプライヤーとして、自動車OE(Original Equipment:純正)部品を世界中の自動車メーカーに供給するとともに、車両修理などを目的としたアフターマーケット製品の供給まで多岐にわたって事業を展開。Monroe®やRancho®などの世界的ブランドを多数有している。
同社の主力製品の一つである、振動を減衰させる自動車用ショックアブソーバーでは、「世界シェアで1位、2位を争うポジションに位置している」という。
もう一つの主力である排気処理関連のクリーンエアー製品では、今後、数年内に、欧州、日本、米国など、先進国を中心とする世界の主要マーケットで、より厳しい排気ガス規制が施行されることが見込まれており、同社は、高い基準の自動車用排気ガス規制に対応する新技術の開発、供給体制の整備など事業基盤を固めている。また、今後予想される中国やインドなどの巨大マーケットでの排ガス規制も、視野に入れている。

Tenneco製品(展示用)

テクニカルセンター(横浜市)開設・拡張の背景

Tennecoの日本法人は、前身のモンロー社が 1973年に、同社製品の輸入販売を行うべく、東京 に拠点を設立。その後、顧客へのアクセスが便利などの理由から神奈川県・横浜市に本社機能を移転。2011年にTenneco社による買収により、現在のテネコジャパン株式会社(以下テネコ)に社名変更した。
日本企業に対する長年の営業努力の結果、テネコは日本顧客の海外生産拠点でビジネスを獲得してきた。また、2012年にテネコの大阪工場が稼動し、日本の建機・農機向け製品の生産を開始することで、日本国内でのビジネスも拡大。リーマンショックにより、投資計画を一時中断していたものの、日本顧客に対する更なるビジネス拡大のため、日本での設計開発能力を高める必要があると判断し、2014年、横浜テクニカルセンターを開設した。
さらに、2016年4月、テクニカルセンター開設からわずか2年で、センターの拡張と追加の設備投資を行った。その背景について、テネコ代表取締役社長の下西康晴氏は、「当社のビジネス発展において、日本での開発力向上は必須であり、急務だった。理由の1つは海外市場のサポート、もう1つは日本国内市場のシェア拡大である」と述べた。「自動車で言うと、日本で設計開発した製品を海外で生産・納品するケースが非常に多く、海外での競争力をつけるためにも、日本での設計開発力を向上させることが必要であった。また、日本には、自動車を始め、建機、農機、船舶関係など、Tenneco製品の既存・潜在顧客が数多く存在し、非常に魅力のある戦略的市場として捉えている。当社がJ-OEM(ジャパンOEM)と呼ぶ、海外展開を行う日本メーカーへの製品供給・サポート体制には力を入れており、優秀な日本のサプライヤー企業と互角に競合するためにも、横浜テクニカルセンターを拡張させることは必須であった」と下西氏は説明する。
テネコは、同センター開設にあたっては2012年に国のアジア拠点化立地推進事業補助金に、2016年の拡張にあたっては横浜市企業立地促進条例に、それぞれ採択されている。下西氏は、「我々の投資計画に対して、補助金をいただけたことに大変感謝している。新規事業を行う決断の後押しになった」と話す。

テクニカルセンター概観(神奈川県横浜市金沢区)

日本での今後の事業展開

「研究開発とともに営業力の強化にも力を入れたい」と下西氏は、今後の展開について意気込む。テネコが開発した製品を顧客に知ってもらうためにも、セールスやマーケティングの強化は必須。設計開発から量産立ち上げまでサポートするプログラムマネジメントといった、ビジネス全般にわたる能力の確保が必要だと、下西氏は言う。また、完成して間もない同センターでは、Tennecoの海外の研究開発拠点のサポートを受けながら、日本企業のグローバルな顧客窓口として、サポート体制を強化していく考えだ。そのためにも、人材確保は重要事項であり、これまでの中途人材に加えて、今後は国内での新卒の採用・育成を進め、また高度外国人材の活用なども視野に入れ、現在約160名の従業員数をさらに増やしていく予定だ。

ジェトロのサポート

ジェトロは、2012年度のアジア立地推進事業費補助金をはじめ、各種インセンティブ情報等の提供を行った。ジェトロのサポートに対して、「我々だけで申請しようと思ったら、とてもハードルが高く厳しい事業だった。小まめに何回もサポートしていただき、大変感謝している。また、テクニカルセンター拡張の開所式にご出席頂くなど、今後も良きお付き合いをお願いしたい」と下西氏は述べた。

(2016年7月取材)


同社沿革

1973年 モンロージャパン(株)として東京・恵比寿で創設
1986年 本社を横浜市新横浜(港北区)に移転
1987年 テネコオートモーティブジャパン(株)へ社名変更
1988年 本社を横浜市都筑区平台に移転
2011年 テネコジャパン(株)へ社名変更
2012年 大阪工場操業開始
2013年 本社を横浜市桜木町(中区)に移転
2014年 テクニカルセンターを横浜市金沢区福浦にて稼動開始
2016年4月 同テクニカルセンターを拡張

テネコジャパン株式会社

設立 1973年
事業概要 クリーンエアー、ライドパフォーマンスのJ-OEM向け開発、製造、販売、
ショックアブソーバーのアフターマーケット向け開発、輸入、販売
親会社(グループ) Tenneco Inc.
住所 〒231-0062 神奈川県横浜市中区桜木町1-1-8
URL http://tenneco.co.jp/index.html外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

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