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シェフラージャパン株式会社(四元 伸三氏)

産業:自動車関連

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代表取締役兼マネージング・ディレクター 四元伸三氏

シェフラージャパン株式会社は、自動車・産業機械の分野でグローバルに事業展開する独シェフラーグループの日本法人である。日本におけるビジネスと将来の展望について、同社代表取締役兼マネージング・ディレクターの四元 伸三氏に聞いた。

シェフラージャパン株式会社は、ドイツのシェフラーグループの日本法人で、ドイツ本社と同様、自動車事業および産業機械事業の二つの事業を展開している。自動車事業では、エンジン、トランスミッション、シャーシ等を構成する精密部品を供給しており、産業機械事業では、高精度・高耐久ベアリングなどを多くの産業機械分野の顧客に提供している。日本におけるビジネスの状況や今後の展望について、同社代表取締役兼マネージング・ディレクターの四元伸三氏に聞いた。

日本におけるビジネスの現状について

シェフラーは、INA(主力製品:精密部品やニードルローラーベアリング)、FAG(主力製品:精密ベアリング)、Luk(主力製品:クラッチやトランスミッション)という3つのブランドを擁する自動車・産業用部品のサプライヤーである。もともと独立した企業として存在していた3つの会社(INA、FAG、LuK)が経営統合され、2003年から現在のシェフラーグループとなった。日本においても、株式会社イナベアリング(1987年創業、INA日本法人)とエフ・エー・ジー・ジャパン株式会社(1982年創業、FAG日本法人)が合併し、2006年にシェフラージャパンが設立された。現在、国内6ヶ所(横浜、福岡、広島、大阪、名古屋、仙台)で、自動車事業および産業機械事業を展開している。

シェフラーグループの強みは何か?

まず、中長期的な経営戦略に基づき、研究開発やビジネスを行えることを挙げたい。シェフラーグループは、株式非公開のオーナー企業であり、安定した財務基盤を有している。短期的な利益のみに捉われることなく、中長期的な視点から研究開発や投資を行うことができる。これは多くの日本企業が持つ企業文化と通じるものであると考えている。

また、イノベーションを重視した企業文化も、強みとして挙げたい。シェフラーグループでは、売上高の5.5%以上に相当する研究開発投資を継続的に行っており、毎年約2,100もの特許申請を行っている。日本ではこれまで自動車メーカーが部品メーカーを育てることで、技術革新を生み出してきた歴史があるが、技術の高度化・グローバル化が進む現在の自動車業界においては、自動車メーカーと部品メーカーの早い段階からの共同開発が今まで以上に重要となっている。欧州では、歴史的にも自動車メーカーと部品メーカーが対等な関係を構築し、お互いに技術を提案し合いながら共同開発を行ってきた文化がある。当社は、クラッチやベアリングなど、欧州で生まれた多くの技術ノウハウを蓄積しており、日本の自動車メーカーに対して、日本の自動車メーカーの持つ技術と欧州で生まれた技術を融合させ全く新しいものを生み出す 形で貢献できる。シェフラージャパンの役割はそこにあると考えている。

さらに、グローバルな事業体制も強みである。自動車メーカーのグローバル化に伴い、サプライヤーにもグローバルな協業体制が求められる。現在シェフラーグループ全体では、49カ国以上約170の拠点で、約80,000人の従業員が働いており、グローバル化を推進する自動車メーカーを万全の体制でサポートできる。

日本でビジネスを行うメリットは?

ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池自動車など、自動車産業のこれからを担う新しい技術が次々と日本で生まれている。そうしたイノベーションの生まれる場所として日本の重要性は増している。これは世界的な自動車メーカーや高いクオリティをもったサプライヤー、さらに素材や機械分野等の基礎研究に秀でる大学・研究機関が集積するゆえと考える。シェフラージャパンには市場全体にイノベーションを生み出すポテンシャルが求められている。

日本で開発した製品・サービスを他国の市場に展開した事例は?

シェフラーが日本の自動車メーカーと研究開発を行った「世界初」の技術は多い。今後もそうした活動を通して日系自動車メーカーとの取引は拡大傾向にある。最近ではマツダの「スカイアクティブエンジン」の部品開発にパートナーとして携わり製品化に貢献した。さらにホンダの「フィットハイブリッド」に使われたデュアルクラッチ技術もそうした協働プロジェクトの実例である。

昨年日本のR&Dセンターから、60件ほどの特許を出願したが、まだまだ十分でないと考えている。今後は日本の自動車メーカーを始めとしたお客様の開発パートナーとして関与を強めていくほか、大学や研究機関等との提携も視野にいれ、開発体制を強化していきたい。また将来的には、日本で生まれた新素材や表面処理技術を活用し、「日本発」の製品を開発するなど、新しい取り組みにも着手していく。

グループ内における日本拠点の役割・位置づけは?

当社では、地域別に統括拠点を置き、本社のあるドイツから各地域への権限委譲を進めている。さらに各地域の中でもそれぞれの強みを活かせるよう統括機能を分化している。日本・韓国および東南アジア・太平洋州からなるアジア太平洋州地域において、日本拠点は研究開発の中核拠点であり、横浜をベースとして活動する最高技術責任者(CTO)が、技術面から地域内を統括している。

今後のビジネス展開について

当社は、2020年までにシェフラーグループ内でのアジア太平洋地区の売上高の割合を増やす計画を掲げている。日本の自動車メーカーとのグローバル協業ならびにパートナーシップの拡大を図るべく、2015年5月には横浜の本社および研究開発拠点の移転・拡張を行う。また「顧客の近くで開発する」という方針の下、新たに宇都宮に拠点開設を計画するなど、顧客との窓口機能を強化する。

さらに従業員も2020年までに倍増する予定だ。現在エンジニアの採用競争が激化しており、優秀な人材を確保するためには、企業のブランド力も重要である。これまでドイツで開催していた4年に一度の技術シンポジウムを昨年初めて日本で開催するなど、積極的な情報発信を通じて、日本での企業の認知度向上にも今後ますます力をいれて取り組んでいきたい。

(2015年2月)

同社沿革

1883年 FAGの創業者フレデリッヒ・フィッシャーがボール研磨機を設計、FAGを設立
1946年 INA創業
1965年 LuK創業、INAが出資者として参画
1982年 FAG日本法人エフ・エー・ジー・ジャパン株式会社創業
1987年 INA日本法人株式会社イナベアリング創業
2003年 INA、FAG、LuKが「シェフラーグループ」を発足
2006年 株式会社イナベアリングとエフ・エー・ジー・ジャパン株式会社が合併、シェフラージャパン株式会社発足

シェフラージャパン株式会社(日本法人)

設立: 2006 年
事業概要: 自動車部品(エンジン関連部品・シャーシ関連部品・トランスミッション関連部品等)および産業機械部品の製造・販売
親会社: Schaeffler AG
住所: (本社)神奈川県横浜市神奈川区新浦島町1-1-32 ニューステージ横浜
URL: http://www.schaeffler.co.jp/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

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