外資の対日投資成功事例 - サクセススト-リ-

マルクラ・ジャパン株式会社

産業:サービス/その他

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海運業向けの業務効率、コスト削減、コンプライアンス強化のプラットフォームを提供するMarcuraグループ(アラブ首長国連邦本社)が、2013年に東京都にマルクラ・ジャパン株式会社を設立。世界の海運国・日本でビジネスを拡大させ、世界市場でのブランド力を高めていく。

Marcuraグループ(以下、Marcura)は、2001年にアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイでDA-Desk社を設立したのを皮切りに、現在では6つの事業会社を持つホールディンググループである。Marcuraは、船会社をはじめとした海運事業に関わる船舶オペレーター(船舶の運航を担当する会社)、船舶管理会社、ブローカー、船主などの業務効率化、コスト削減などを支援するサービスを展開しており、その中核事業のDA-Desk社は世界230社以上の船舶オペレーターや船会社を顧客に有している。

Marcuraの強み:海運業界の効率化を支援

マルクラ・ジャパン株式会社代表取締役社長の光田時雄氏は、自社の強みについて、「これまでどの企業も参入してこなかった、海運業界で効率化・コスト削減が手付かずだった分野に挑戦し、その改善に寄与している点だ」と語る。例えば、Marcuraの旗艦事業会社であるDA-Desk社では、船舶オペレーターや船会社、船を所有する商社などが港湾に支払う港費を適正化するサービス(サービス名:DA-Desk)を行っている。今まで船舶オペレーターなどは、港費はその寄港地の代理店を介して支払うことが大半で、海運事業の商習慣上、その金額については代理店によるところが多かったという。DA-Deskは、世界中の港費をデータベース化し、代理店が提示する港費が適正かどうかチェックする機能を有しており、船舶オペレーターの港費見積業務や、最終精算書・費用仕訳などの精算業務の効率向上、コスト削減、およびキャッシュフロー改善などにつなげている。
DA-Deskは同サービスにより、船舶オペレーター側から高い評価を得る一方で、市場に導入された頃は代理店側から反発もあった。しかし、DA-Deskによる港費の適正化が進む中で、DA-Deskを経由することで船舶オペレーター側から代理店への確実でタイムリーな港費送金が可能となり、代理店側からも感謝されるようになったという。このように、船舶オペレーター側と代理店のwin-winの関係構築に貢献しているMarcuraは、グループの他の事業会社においても同様のサービスを次々と導入している。世界中の海運事業会社の業務効率化プラットフォームとビジネスリスクを低減させるコンプライアンス・プログラム(DA-Compliance)を提供していることが、Marcuraの強みといえる。

海運国日本でのブランド力を軸に世界へ挑む

「海運業に関わる会社として、世界に冠たる海運国である日本に進出することは必須であった」と光田氏は振り返る。日本には世界的規模の総合船会社が複数存 在する上に、直接船舶を運行する総合商社もある。歴史ある巨大な海運国であり、世界の海運業界からの注目度も高い。光田氏は、「日本の大手企業と取引する ことは、世界市場においてブランドにつながる。日本の船会社を顧客とすることで、日本での仕事が増えるばかりでなく、世界からの信頼度・知名度が高まり、 海外の仕事も増えてくる」と言う。世界中に顧客を有するMarcuraにとって日本進出は、まさに必然であった。Marcuraの中核事業であるDA- Desk社は、日本進出以前より、ドバイの本社内にジャパンデスクを設置し、日本企業の海外現地法人を顧客として獲得してきた。そのDA-Deskと他の サービスの日本本国での営業強化を目的に、日本拠点設立に至った。

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日本進出で苦労した点

「日本でビジネスを行うにあたって『信用』と『信頼』が大事であることをあらためて感じた」と光田氏は語る。Marcuraのサービスが海外で成果を上げており、日本でも同様の成果を上げられると日本企業に説明しても、日本の商習慣上、すぐに導入にまで至らないケースがほとんどであったという。しかし、時間をかけて丁寧な営業を続けるほか、サービスに興味関心のある企業がドバイ本社に訪問した際は自社システムと実際の作業プロセスを見学してもらうなど、信用を得るための努力を積み上げていった。その結果、大手が1社決まると、次第に競合他社や中堅企業も導入を始めたという。こう言った点も、日本市場の特徴であり、だからこそ信用・信頼を得ることが必要と光田氏は力を込める。

日本での今後の事業展開

2015年で拠点設立3年目となるマルクラ・ジャパンは、日本市場でのプレゼンスを着実に高めており、主力商品のDA-Desk以外にも、Mar-Trust(海運業務の決済・送金サービス)、Port-Log(船舶の港湾滞在時間短縮サービス)などの展開準備を進めている。光田氏は、「1つのサービスで信用が築ければ、その他についても、マルクラ・ジャパンのサービスであれば安心だ、とお客様に思っていただけるだろう」と意気込む。

ジェトロのサポート

日本法人設立に際し、ジェトロ対日投資・ビジネスサポートセンター(IBSC)は、テンポラリーオフィスを貸与したほか、会社登記・労務など拠点設立に関するコンサルテーションおよび物件探し等の支援を行った。ジェトロのサポートについて、光田氏は「非常に良いサポートだった。特に、会社設立に関して、ジェトロ推薦の専門家を紹介いただき、大変安心できた。また、セミナー開催時にはジェトロ内の会議室を貸していただき、設立間もない当社にとって、いろいろな意味でありがたかった。おかげで、スマートに会社を立ち上げることができた」と述べた。

(2015年7月取材)

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マルクラ・ジャパン株式会社 代表取締役社長
光田時雄氏


同社沿革

2001年 UAE(ドバイ)でMarcuraグループの旗艦会社となるDA-Desk社を設立
2003年 UAE(ドバイ)でホールディング会社のMarcuraを設立
2013年4月 日本でマルクラ・ジャパン株式会社を設立

マルクラ・ジャパン株式会社

設立 April 2013
事業概要: 海運業向けの業務効率、コスト削減、コンプライアンス強化のプラットフォームを提供
親会社(グループ): Marcuraグループ
住所: 〒100-0011 東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテル本館6階
URL(親会社): http://www.marcura.com/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

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