外資の対日投資成功事例 - サクセススト-リ-JD.com京東日本株式会社

産業:小売

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JD.com京東日本株式会社は、中国のインターネット通販大手JD.com(京東集団)の日本法人。2017年7月12日、JD.com京東日本株式会社は本格的に日本マーケットへ進出することを記念し、都内でセレモニーを行った。この機会に来日した劉CEOは、同社の事業内容や実績について講演を行った。


高い成長率を誇るECトップ企業JD.com

JD.com は1998年に北京で設立、2014年5月に米国ナスダックに上場し、現在は世界のEC市場のマーケットシェアで上位10社に入っている。ECモール運営とオンラインでの直販を行い、14万人の従業員、約2億6千万人のユーザーを誇る成長企業で、2016年の総取引額は約15.8兆円、日本製品の売上も前年比で110%以上増加した。同社最大の株主である中国のIT企業テンセントとのコラボレーション戦略で、同社がリーチできる潜在的ユーザーは9億人以上に上る。また、ビックデータの活用でECとSNSのデータを統合した販促提案を行うなど、ビジネス拡大に向けて環境整備を進めている。

JD.comは、物流網と直接販売を強みに成長を遂げてきた。中国では335棟の倉庫を有すると共に、5万カ所の村に配達員を配置し、自社配送網は中国全土の人口の大半をカバーしている。また5万以上の店舗と協力しており、消費者はウェブサイトで購入後、近隣店舗での商品の授受が可能で当日・翌日の配達を実践している。iPhone7発売時の平均配達時間は、11分だった。在庫回転期間が17日間と、実店舗(オフライン店舗)よりもサイクルが短いため在庫管理費が抑えられることや、メーカーと協力関係を構築し、偽物を徹底的に排除してきたことも同社の強みだ。

日本進出の経緯

今回の日本法人設立の目的は、日本製品の調達強化と日本メーカーとの直接取引拡大だ。日本に拠点を設けることで、同社は今後より多くの日本製品を中国市場に投入することができるが、日本企業にとっても輸出促進に繋がる大きなチャンスになる。劉氏によると、近年EC市場における日本製の商品への注目の高まりには、中国人の消費傾向の変化が起因しているという。以前は、安くモノを購入することに主眼を置く国民が多数だったが、近年、中国人の世帯収入の増加に伴い、ブランドや品質、安全性を重視する消費者が増えてきている。また、購買手段も旅行などで訪日して日本製品を直接購入するのではなく、オンライン上での購入が主流になりつつある。こうした中国人消費者の日本製品の需要に応えるべく、商品調達の効率化と企業との直接取引の拡大を見据えて日本での拠点を設立する運びとなった。同社はオンライン通販での直販に加え、ECモールへの日本企業の出店誘致活動も積極的に行う計画で、日本企業の海外販路拡大も期待される。

高品質・安全性重視の中国人消費者の動向の変化に伴い、JD.comと日本企業間のビジネス交流も盛んになってきている。2016年5月にはヤマトホールディングスの傘下企業と中国向けの越境EC事業での連携を開始し、2017年7月には、ヤマトホールディングスと中国国内におけるコールドチェーン(低温物流網)の拡大とクロスボーダー取引拡大のための包括的アライアンス締結に向けた基本意向書の調印を行った。生鮮食品を冷やしたまま配送するヤマトの技術と、JD.comの中国物流ネットワークを組み合わせによる相乗効果が見込まれる。更に、2017年6月には三菱ケミカルと、同社の植物工場システムを導入するとともに、野菜の栽培や衛生管理等で技術提携することで合意した。食の新鮮さや安全性を求める声に応えるべく、日本企業との連携を通じて今後は生鮮事業も拡大していく方針だ。

今後のビジネス展開

今後、JD.comは販売拡大と技術向上を主軸に経営を進める。日本進出を機に販売量の更なる増加が期待できる。劉氏によると、技術面では既に物流倉庫でロボットが作業しており、将来的には無人運転トラックの導入も検討しているという。配達効率を上げることで、世界で競争力を高める戦略だ。今後の日本でのビジネス展開については、より多くの日本製品を中国の消費者に届けると共に、日本の中小企業への出資を通じたネット販売の拡充も計画中だ。「パートナー企業である日本企業との協力体制を強化し、今後も成長し続ける」と劉氏は力強いメッセージを残した。

セレモニーでの劉CEOによる講演

ジェトロのサポート

ジェトロ対日投資・ビジネスサポートセンター(IBSC)では、同社の日本法人設立に際し、テンポラリーオフィスの提供、登記や労務に関する情報提供に加え、サービスプロバイダ(行政書士、税理士、銀行、不動産会社)や日本企業との個別ビジネスマッチング、各種イベントに係る支援を行った。

(2017年7月取材)


同社沿革

1998年6月 中国・北京市にて北京京東世紀貿易有限公司(京東集団)を設立
2017年8月 東京都にJD.com京東日本株式会社を設立

JD.com京東日本株式会社

設立 2017年8月
事業概要 ECモール運営とオンライン販売
資本金 3000万円
親会社 北京京東世紀貿易有限公司(京東集団)
住所 〒100-0004 東京都千代田区大手町1-1-1-703
URL https://www.jd.com/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

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