外資の対日投資成功事例 - サクセススト-リ-

HRS-ホテル・リザベーション・サービス株式会社

産業:サービス/その他/観光

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ドイツ発祥のグローバルな宿泊ソリューションサービス会社・HRS社が、2013年にホテル・リザベーション・サービス株式会社を東京に設立。過去40年の実績と約30万軒のホテル情報を活かし、法人向けのトラベルサービスで本格的にアジア太平洋地域への進出に乗り出す。

HRS社は、1972年にドイツで法人向け旅行会社として創業。現在では、法人・個人旅行者向けに、190カ国・地域約30万軒の宿泊施設を取り扱う。世界全体での法人顧客数は4万社以上。本社のケルンをはじめ、パリ、ロンドン、上海、ニューヨークなど世界18カ所にオフィスを展開する。

同社は、2013年10月に日本法人・ホテル・リザベーション・サービス株式会社(以下、HRS(株))を設立。ビジネストラベル市場が拡大する中、日本では主に法人向けのトラベルサービスを展開する。同社は、グローバルで包括的なホテル・ソリューション・プロバイダーとして、本格的なアジア太平洋地域への進出を狙う。

日本進出を決めた背景

HRS(株) 代表取締役社長 三島健氏によると、日本進出を決めた主な理由は、(1)日本のビジネストラベル市場の規模と、(2)既存の法人顧客からのサポート要請の2つだという。トラベル市場全体の中で、ビジネストラベルが占める割合は2-3割。米国・中国に次ぐGDPを有する日本は、ビジネストラベル市場の規模も大きく、HRS社の戦略にとって外せない市場である。また、HRS社の法人顧客のうち、多国籍企業も同社のサービスを多く利用しており、欧州のみならず、北米、アジアにも拠点を持つ。こうした企業から、欧州同様、日本においてもHRS 社のソリューションを自社のオペレーションに導入したいとの要望を受け、2013年10月に日本法人を設立。2014年5月から営業を開始した。

現在、HRS(株) は、日本の宿泊施設との提携拡大、日本企業の国内外の出張宿泊手配サービス、及び海外の既存法人顧客の日本拠点でのサポートを担う。今後は、欧州拠点がパートナーシップを結んでいるオペレーション関連の企業(経費精算システムの企業や旅行代理店など)との連携を日本でも展開するという。

HRS 社の強み

三島氏は、HRS社の強みとして、「出張者向け宿泊施設を約30万軒取り扱っていること」に加え、「ビジネスで利用しやすい宿泊条件(直前の条件変更やキャンセルへの柔軟な対応など)を実現していること」を挙げる。加えて、HRS社のソリューションを導入することで、企業のトラベルマネージャーは出張者の宿泊データを一括管理することが可能となる。収集したデータは、出張者の安全・危機管理で利用するほか、データを分析して出張コストの削減に活かせる。このように、ホテル情報に加えて、HRS独自のテクノロジーを活かした分析サービスをトラベルマネージャー向けに提供していることがHRS社の強みだという。

日本進出で苦労した点

HRS社は、法人向けのトラベルサービスにおいて欧州で高い知名度を有する。一方で、日本では設立当初はまだほとんど知られておらず、営業活動では非常に苦労したという。進出直後は、宿泊施設や旅行代理店、企業を数多く回り、ビジネスモデルの説明に加えて、HRS社ソリューション導入によるメリットを丁寧に説明することで知名度向上を図った。このような「足で稼ぐ」努力が奏効し、現在ではHRS社のサービスに関心を持つ宿泊施設や企業も多い。HRS社と同様のソリューションをグローバルに展開している企業が他にないという強みも活かして、日本でのビジネスを拡大している。

今後の事業展開

三島氏は、今後の事業展開として、日本の大手企業へのアプローチを進め、HRS社のネットワークを活用したホテル調達の最適化を提案したいと語る。更に、まだ日本市場でアプローチしていない中小企業に対しても、今後どういったサービスが提供できるか検討していくという。また、三島氏は、日本企業の製造拠点が多い地方では国内出張の需要が大きいと考えており、今後は、地方の宿泊施設に対しても、法人向けのビジネストラベル市場創出に向けた商談を進める方針だ。

HRS(株) の今後の課題は、「日本企業の特徴にあわせたシステムの構築」である。日本企業は、欧州企業と行動様式が異なることに加え、企業内でも世代によってシステムの使い方が異なる。既に一部の企業に対しては、ニーズに合わせてシステムをカスタマイズしているが、「お客様目線で使いやすさをどう追求していくのか」という点は今後の課題であり、目標でもあるという。

ジェトロのサポート

日本法人設立に際し、ジェトロ対日投資・ビジネスサポートセンター(IBSC)は、テンポラリーオフィスを貸与したほか、会社設立に係る各種コンサルテーション、許認可情報の提供を行った。三島氏は、「テンポラリーオフィスでの外国企業との繋がりが、情報収集に大きく寄与した」と述べる。

日本法人設立後には、ジェトロ主催の観光分野のビジネス提携交流会(2014年7月東京、2015年3月京都で開催)にて登壇。交流会をきっかけに、日本企業との提携が進んでいる。日本でのビジネストラベルの需要が高まる中、日本企業とも積極的に提携し、ビジネス展開を図る方針だ。

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ホテル・リザベーション・サービス株式会社
代表取締役社長 三島 健氏

(2015年7月取材)


同社沿革

1972年 ドイツのケルンで創業
1977年 GmbH(ドイツ有限責任会社)として登記
1995年 予約サイトを開始
2000年 アジア初のオフィスを中国・上海に開設
2013年10月 日本にホテル・リザベーション・サービス株式会社を設立
2014年5月 日本での営業活動開始

ホテル・リザベーション・サービス株式会社(日本拠点)

設立: 2013年10月
事業概要: 法人向けビジネストラベルサービス
親会社: HRS-ホテル・リザベーション・サービス
住所: 〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-1-12 虎ノ門ビルディング7階
URL: https://www.hrs.com/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

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