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外資の対日投資成功事例 - サクセススト-リ-ジェネシス・システムズ・グループ・ジャパン株式会社

産業:その他製造業

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Genesis Systemsは、溶接や検査プロセスに革新的な進歩をもたらす加工・検査システム開発・製造を行う米国アイオワ州の企業。米国において日系自動車部品メーカーの信頼を得て業績を拡大。顧客企業の日本本社との更なる関係強化、日本および第三国への展開を目指し、2010年に日本拠点を設立した。拡大する日本でのビジネスと今後の日系メーカーとの連携によるグローバル展開について、日本法人の瀬古忠二社長、松岡信専務に話を聞いた。


Genesis Systems Group, LLC(以下、Genesis)は、1983年創業。米国アイオワ州に本社を置く北米最大のロボット溶接システムメーカーである。特に、次世代のものづくりを担うレーザーによる溶接システムの開発・製造に強みを持ち、自動車、航空機、鉄道車輌などの製造工場向けに、累計4,500台以上のロボットシステムを納入している。
米国以外に日本およびメキシコに拠点を有し、グループ全体の売上は約100億円、社員は約330名に上る。チェコ、ブラジル、インドにもシステム製造パートナーを持ち、主な顧客には、ボンバルディア、ジョンディア、キャタピラーなど世界の名だたる有名企業が名を連ねる。

レーザー溶接に強み

レーザー溶接とは、レーザー光を熱源として、主として金属に集光した状態で照射し、金属を局部的に溶融、凝固させることによって接合する溶接方法である。加工が困難な高硬度材料、高融点材料、セラミックス等の溶接が可能で、異なる材料の溶接も可能。高精度で高速、熱による材料への影響範囲が狭いことが大きな特性である。従来の溶接に比べ、溶接する材料の余分な部分を大幅に減らせることから、材料の小型化、それに伴う軽量化が可能となる。昨今の自動車の軽量化の流れや納期短縮のニーズにより、大幅な市場拡大が見込まれている技術である。


同社のレーザー溶接システム

日本進出の背景

同社は創業以来、「現地・現物」を重視するなど、日本企業の「ものづくり」についての考え方を理解していることから、米国内の日系企業の顧客を着実に開拓。2010年にはグループ全体の売上の2~3割が日系関連企業向けになったことから、日本に駐在員事務所を設置した。
2013年には、有力顧客から「自社工場をレーザー化したいので、それに合わせ本格的に日本に進出してほしい」との要請を受け、テストスペースを持つ愛知県内オフィスに移転するのと同時にジェネシス・システムズ・グループ・ジャパン(株)(以下、ジェネシス(ジャパン))を設立した。その後も順調に日本での業績を伸ばし、2016年には愛知県内で製造設備を持つ工場へと拡張移転。

日本で開発・製造し、母国米国に「輸出」

2016年に移転した新工場の製造能力は年間約30台。1台の製造に4か月程度を要し、1台5,000万円から1億円ほどで納入している。その1/3は「母国」である米国やカナダ向けに輸出している。米国にはGenesisの工場があるため、米国で生産することも試みたが、顧客である日系企業の要求によりまず日本で設計・製作する事になった。このため、日本企業のニーズを知り尽くしたジェネシス(ジャパン)で設計、製造し、日本からの輸出を継続している。しかも、日本から輸出した製品のアフターフォローを確実に行うため、Genesis本社からジェネシス(ジャパン)に技術者を呼び、研修を行っている。
レーザー技術自体は米国やドイツが先行しているが、日本は、その技術を有効に使い、顧客の加工ニーズを熟知した上で、加工システムとして構築する職人技術に長けている。ジェネシス(ジャパン)は、この両者の相乗効果をうまく作り上げることで、日本においても成功していると言える。

外資だが地に足がついている

外資100%の企業では珍しく、瀬古社長は英語を話さない。松岡専務曰く「多くの外国企業は、日本法人トップを決める際に、判断材料として英語能力を重視し過ぎて失敗する。ジェネシス(ジャパン)は、トヨタに40年以上勤務し、業界、溶接技術、顧客ニーズを実体験として理解している瀬古を社長に選んだ。技術と資本は米国からだが、日本人が日本人のノウハウでやっている。日本の顧客からはそこを評価してもらい、『外資だが、地に足がついている企業』として、安心感を与え、継続的な取引に繋がっている」と話す。同社長は、日本のもの作りの考え方を理解しており、英語でのコミュニケーションより大切なものでGenesis幹部や部下の外国人からも厚い信頼を得ている。

左から:瀬古忠二社長、松岡信専務

レーザー溶接市場拡大は確実。製造能力拡大が急務

大幅な時間短縮、製品の軽量化が可能なレーザー溶接技術は、今後の市場拡大が確実とみられており、ジェネシス(ジャパン)は2020年までに年間売上20億円を目指している。また、自動車関連企業からのグローバルでの旺盛な需要に応えるため製造能力の更なる増強を検討している。そのため同社は、出資の受け入れ、他社とのジョイントベンチャー、ジェネシス(ジャパン)による関連日本企業買収など、あらゆる可能性を視野に入れている。一方で、今後急速に電気自動車(EV)市場が拡大することが予想される中で、自社がどこまで参入できるかが最大の課題と考えている。

ジェトロ支援がなければ日本進出は有り得なかった

Genesisが日本法人設立を具体的に考えたのは2010年。ジェトロが外国企業向けに実施した日本への招聘事業に参加した際である。名古屋で開催された「メカトロテック・ジャパン」の会場で、ジェトロのアレンジにより前田工業(株)という素晴らしいパートナー企業と出会うことができたのと同時に、日本における自社製品の市場性を確信したためである。
松岡専務は、「当時はリーマンショックの影響で米国本社もリストラで非常に厳しい時期でした。自社独自で日本に目を向け、自費で出張する余裕などなかったため、ジェトロにはとても感謝している」と話す。その後、名古屋のインキュベーション施設Invest Japan Business Support Center(IBSC)を利用。オフィススペースを使いながら、専門家からの法人設立手続きなどのアドバイスを受けた。また、拡張移転時の候補物件紹介、人材採用支援、自治体との橋渡し、ビジネスマッチングイベント、広報面での協力など、ジェトロを積極的に活用。今後は、東京か大阪での新営業所開設に向け、支援を得たいと考えていると語った。

(2017年5月取材)


同社沿革

1983年 米国・アイオワ州にてGenesis Systems Group, LLC設立
2010年 日系自動車企業への売上がグループの30%を占めるまでに成長し、日本に駐在員事務所を設立
2013年 愛知県東海市にジェネシス・システムズ・グループ・ジャパン(株)設立し、システム製造を開始
2016年 愛知県春日井市に移転。製造設備の組立から最終仕上げまでの一貫設備をもつ事務所兼工場に拡張

ジェネシス・システムズ・グループ・ジャパン(株)

設立 2013年
事業概要 レーザー溶接等システム製造・サービス
親会社(グループ) Genesis Systems Group, LLC
社員数 30名
住所 〒480-0304 愛知県春日井市神屋町引沢1-38
URL http://www.genesis-japan.co.jp/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

ジェトロの支援

  • 日本への招聘事業参加(日本企業との商談アレンジ)
  • テンポラリーオフィスの貸与(IBSC)
  • 会社設立手続きに関するコンサルティング
  • インセンティブ情報の提供
  • オフィス、工場物件探し
  • 自治体との橋渡し
  • 外資系企業向けビジネス交流会(商談会)

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