外資の対日投資成功事例 - サクセススト-リ-株式会社Ciel Terre Japan

産業:環境/エネルギー

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Ciel Terre

水上設置太陽光発電事業を手掛けるフランスのCiel & Terreが、東京都に株式会社Ciel Terre Japanを2013年に設立した。さらに同年、同社が架台を供給した日本初となる水上設置太陽光発電所が稼動した。日本やアジアでの事業展開を通じ、水上設置太陽光発電の更なる普及を目指す。


水上設置太陽光発電所の設計および架台販売等を行っているフランスのCiel & Terreが東京都に株式会社Ciel Terre Japanを設立した。

同社は埼玉県桶川市の貯水池を活用した日本初となる水上設置太陽光発電の建設プロジェクトにおいて、水上設置の架台の納入および技術提供を行った。2013年7月に稼動を開始した桶川市の水上設置太陽光発電所は、2つのアイランドに分けられ、合計4536枚のソーラーパネルで水面の40%を覆っている。同プラントは1.18MWpの発電能力(年間を通じて一般家庭約400世帯の消費量に相当)を有する。

Ciel & Terreは2006年の設立以来、世界各国で55以上の太陽光プラントを手掛けており、米国、インド、タイ等で、代理事務所もしくはエージェントを通じて活動するなど、海外展開を積極的に行っている。

桶川市の水上設置太陽光発電所

HYDRELIO技術による太陽光発電

Ciel Terre Japanの強みとして、同社が特許を取得しているHYDRELIO技術が挙げられる。同社が開発したフローティングユニットに太陽光パネルをセットすることで、水上での発電が可能だ。フローティングユニット同士はピンで連結することで組み立てられ、容易かつ短期間で施工できる。実際、桶川市のプロジェクトにおいては3週間という短い期間で設置が完了した。また、部品の全てがリサイクル可能な素材で製造されているため、自然環境への影響が少ない。

太陽光プラントを水上設置することで、太陽光が水面に直接当たらなくなることによる水の蒸発防止にも期待できる。加えて、発電効率が悪くなる暑い日でも、パネルとケーブルの温度が水により低下するため、発電効率維持に効果がある。

同社の技術について、株式会社Ciel Terre Japanのインターナショナル・ビジネス・マネージャーであるポリー・エヴァ氏は、「HYDRELIO技術には多くの強みがある。灌漑施設に関して言えば、元々の機能を有したまま発電することが可能であり、農業等と競合することはない」と語る。

日本進出を決めた理由

HYDRELIO技術は、既存の貯水池、池、水路、湖等の水面を利用して太陽光発電を可能とする。日本にはメガソーラーに利用できる土地が限られている一方で、多くのため池や貯水湖が点在するため、販路拡大および技術展開を見込み、日本での拠点設立に至った。

加えて、同社が日本進出を決めた理由として、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT:Feed In Tariff)がある。同制度では、再生可能エネルギーにより発電した電力が長期間、固定価格で買い取られることが保証されるため、再生可能エネルギー事業者の事業参入のリスクが大きく低減される。同社

はここ数年で発電のコストを削減することに成功したため、買い取り価格は年々下がりつつあるものの、そのことを必ずしもネガティブに捉えていない。ポリー氏は「4年前は今の5倍のコストをかけて電力を生産していた。しかしこれまでに多くの進歩があり、更に2、3年後には、一般的な電力価格で提供できるだろう」と語った。

Ciel&Terre Group 代表取締役プルヴォ・ベルナール氏(写真右)

Ciel&Terre International 代表取締役ガヴォ・アレクシー氏(同左)

今後の事業展開

桶川市で発電所が稼動を始めて1年近くになる。日本はたびたび地震や台風による被害を被っているが、これまで同社の設備にトラブルは発生していない。桶川市でのプロジェクトの成功は各方面で大きな話題を呼び、日本各地より関心が寄せられているという。2014年6月には埼玉県川越市に同社の技術を用いたプロジェクトが展開、更に2014年9月に予定されている兵庫県小野市および島根県安来市でのプロジェクトへの技術提供も行った。また、フランスで現在製造している部品を日本国内でも製造すべく、2014年末までに製造を開始できるための準備も整えている。同社は日本のパートナー企業の発掘および協力体制の確立を進め、国内全域でのプロジェクトの開発・展開を進めていきたい考えだ。

日本での成功を足掛かりに、今後はアジアへプロジェクトを展開していく意向だ。同社は日本をアジア地域のハブと位置づけ、アジアの需要に対応することを計画している。

ジェトロのサポート

同社の日本における拠点設立に際し、ジェトロ対日投資・ビジネスサポートセンター(IBSC)は、テンポラリーオフィスを貸与したほか、登記、税務、労務などの会社設立に関するコンサルテーションおよび、太陽光発電市場に係る情報提供等の支援を行った。ポリー氏はジェトロのサービスに対し、「今でもジェトロから提供された資料をよく見返している。ジェトロのサポートがなければ、設立当初、業務に集中することはできなかった」と語った。

(2014年9月取材)

本記事の内容は、国際ビジネス情報番組「世界は今」でも取り上げており、映像でもご覧いただけます。


同社沿革

2006年6月 Ciel & Terre Group設立
2013年4月 Ciel & Terre International設立
2013年6月 Ciel Terre Japan設立
2013年7月 埼玉県桶川市にて世界最初の1MWp以上の水上設置太陽光発電所の設計および架台供給
2014年6月 埼玉県川越市にて700kWpの水上設置太陽光発電所の設計及び架台供給

株式会社Ciel Terre Japan

設立 2013年
事業概要 太陽光発電の技術開発、設置等
親会社 Ciel & Terre International
住所 東京都墨田区錦糸1-2-1 アルカセントラル14階
URL http://www.cielterre.jp/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

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