外資の対日投資成功事例 - サクセススト-リ-

エースジャパン株式会社

産業:ICT

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ミャンマーのACE Data Systems Ltd.が初の海外拠点を東京に設立。成長著しいミャンマーのオフショア市場で最大規模を誇る同社は、日本のパートナー企業とともに日本でのビジネス拡大を目指す。

ミャンマーで、法人向けソフトウェア開発およびオフショアでのITアウトソーシングサービスを行うACE Data Systems Ltd.(以下ACE 社)が、日本のシステム開発企業であるユース・情報システム開発株式会社(以下ユース社)と合弁で、東京都にエースジャパン株式会社(以下、エースジャパン社)を設立した。

ACE社は、ミャンマーの国営・民間銀行や販売業等の顧客に対して、送金・決済、人材管理、顧客管理等のソフトウェア開発・販売を行うほか、海外企業に対して、オフショアでのITアウトソーシングサービスの提供などを行っている。1992年の創業以来、順調に拡大し、現在では、グループ全体で従業員約420名、年間売上げ約500万ドル(5億円)を誇る、ミャンマー国内で最大規模のIT企業に成長した。グループ傘下にはコンサルティング会社、貿易会社、モバイルサービス会社等、様々な事業会社も有しており、同社の総合的なサービスは、日本企業からも高く評価を得ているという。

日本進出の理由と背景

ACE社が日本に進出した理由について、ユース社の代表取締役であり、エースジャパン社の代表取締役社長でもある舟橋千鶴子氏は、「日本企業のオフショア開発へのニーズの高まり」を挙げる。ミャンマーは、近年の経済発展に伴い、国内でのIT市場が急速に拡大しており、さらに中国やインドなどと比べて人件費が安価であることなどから、オフショアの受託開発市場が伸びているという。日本でも、ミャンマーでオフショア開発を行う企業は増加傾向にあり、同市場で知名度が高いACE 社と提携を希望する日本企業は多い。今回合弁会社を設立したACE社とユース社だが、両社の出会いのきっかけは、日本の大手総合研究所のプロジェクトで協業したことだった。

一般的にソフトウェアのオフショア開発を行う場合、現場と発注側(日本企業)をつなぐ現場リーダーの重要性が高い。現場リーダーには、日本語で書かれた専門的な仕様書を理解する語学能力のほか、現場と本部の双方の事情に通じ、プロジェクト全体をマネジメントする能力などが求められる。現在は日本企業側がミャンマーに駐在員を派遣するケースが大半であるが、最近ではその常駐コストが値上がりしており、継続的にシステム開発を行うための代替案として、日本語能力に優れた現地の人材を求める企業が増えているという。

そのような状況で、ACE社の顧客である日本の大手電子メーカーから、以下の提案があった。「ACE社のミャンマー人スタッフを日本の自社に派遣してもらい、そこでプログラミングスキルや日本語などを習得し、帰国後は、ミャンマーで自社のプロジェクトをリードしてほしい」。この提案が、日本進出に踏み切る大きな契機となり、エースジャパン社の設立に至った。

ACE社とユース社が合弁会社をスムーズに設立することができた背景として、舟橋氏は「信頼関係」を挙げる。両社は「Win-Winの関係構築」を最優先するという経営姿勢で一致し、日本法人設立以前からMOUを結ぶなど、中長期的に関係を構築してきており、これまで積み上げてきた信頼関係が「エースジャパン社設立」という形で結実した。

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ACE社の職場風景 (ミャンマー・ヤンゴン市内)

ミャンマーと日本の架け橋に

エースジャパン社から、前述の日本の顧客企業に出向中のミャンマー人社員は、日々の日本語の勉強も熱心に行っており、同社としても社員の学習を積極的にサポートしている。「当社のミャンマー人は、日本語の学習に真面目かつ意欲的に取り組んでくれている」と舟橋氏は語る。日本語能力の向上と比例してオフショアサービスのレベルが向上したと顧客にも喜ばれるケースも多いという。

また同社は、日本の市民団体や駐日ミャンマー大使館などが主催し、2013年から年に1回東京で行われている、日本とミャンマーの文化交流イベント「ミャンマー祭り」にブース出展を行うなど、ビジネス以外の分野でも両国の関係構築に一役買っている。

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2014年10月ミャンマー祭り(東京・増上寺) エースジャパン社ミャンマー側の代表ゾウ・モウ・タン氏(後列左から3番目)とスタッフの皆様

日本での今後の展開

「エースジャパン社設立」が大々的にニュースなどで取り上げられたこともあり、同社にミャンマーでのオフショアに関する問い合わせが増え続けているようだ。今後は、日本企業のミャンマーでのオフショアビジネスを拡大すべく、日本に駐在するミャンマー人社員を、現在の6人から10~20名規模まで増加させる。さらに、ODAなど日本政府のプロジェクトを通じたミャンマーのインフラ開発にも取り組む予定だ。

ジェトロのサポート

日本法人設立に際し、ジェトロ対日投資・ビジネスサポートセンター(IBSC)は、会社設立に係る登記、ビザ、税務、労務に関するコンサルテーションのほか、サービスプロバイダーの紹介等の支援を行った。ジェトロのサービスについて、舟橋氏は「ジェトロには、ユース社を通じて直接コンタクトを取り、会社設立に関するアドバイスをいただき、大変助かりました。毎回とても親切に教えていただき、スムーズに手続きを行うことが出来ました」と述べた。

(2015年4月)

同社沿革

1992年 ミャンマーでACE Data Systems Ltd.を設立
2012年 ユース・情報システム開発株式会社と業務提携
2014年1月 ユース社と合弁で、エースジャパン株式会社を設立

エースジャパン株式会社

設立: 2014年1月
事業概要: ICT(ソフトウエア開発等)
親会社: ACE Data Systems Ltd.(ミャンマー)
住所: 東京都千代田区外神田六丁目4番1号神田NR ビル2F
URL(親会社): http://acedatasystems.com/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

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