2.11 高度人材外国人に対するポイント制による優遇制度
2.11.1 高度人材外国人に対するポイント制とは
(2012年5月)
日本の経済成長などに貢献することが期待されている高度な能力や資質を持つ高度人材外国人の受け入れを促進するため、高度人材外国人に対しポイント制を活用し、ポイントの合計が一定点数(70点)に達した高度人材外国人に対し、出入国在留管理上の優遇措置を講ずる制度です。新規入国の高度人材外国人に対しては、まずは高度専門職1号という在留資格を付与し優遇します。また、高度専門職1号の在留資格を保有し3年以上活動を行っていた外国人に対しては、高度専門職2号を付与し、さらなる優遇措置を施します。
詳細に関しては以下のウェブサイトを参照ください。
2.11.2 ポイント評価
高度人材外国人の活動内容を以下のように分類し、それぞれの活動の特性に応じて、学歴、職歴、年収、研究実績などの項目ごとにポイントを設定の上、評価を実施します。
-
(1)
高度学術研究活動「高度専門職 1 号(イ)」
-
(2)
高度専門・技術活動「高度専門職 1 号(ロ)」
-
(3)
高度経営・管理活動「高度専門職 1 号(ハ)」
ポイントの算出方法の詳細に関しては以下の出入国在留管理庁ウェブサイトを参照ください。
2.11.3 優遇措置
高度外国人材に認定された方には、次の出入国在留管理上の優遇措置が認められます。
「高度専門職 1 号」の場合
-
(1)
複合的な在留活動の許容
-
(2)
5 年の在留期間の付与
-
(3)
在留歴に係る永住許可要件の緩和
-
(4)
配偶者の就労
-
(5)
一定の条件の下での親の帯同
-
(6)
一定の条件の下での家事使用人の帯同
-
(7)
入国・在留手続の優先処理
「高度専門職 2 号」の場合
-
(1)
[高度専門職 1 号]の活動と併せてほぼすべての就労資格の活動を行うことができる
-
(2)
在留期限が無期限となる
-
(3)
上記(3)から(6)までの優遇措置が受けられる
※「高度専門職2号」は「高度専門職1号」で3年以上活動を行っていた方が対象になります。
2.11.4 高度人材外国人認定要件の緩和
高度人材外国人の受入を促進するため、ポイント加算措置が講じられています。(2017年4月)
-
(1)
成長分野(IT等)において所轄省庁が関与する先端プロジェクトに従事する人材に対する加算(10 点)
-
(2)
高額投資家に対する加算(5 点)
-
(3)
トップ大学卒業者に対する加算(10 点)
-
(4)
ODA を活用した人材育成事業の修了者に対する加算(5 点)
-
(5)
高度学術研究分野における大卒者等への加算(10 点)
-
(6)
複数の修士号または博士号を取得した者に対する加算(5 点)
-
(7)
一定の水準の日本語能力(日本語能力試験 N2 程度)を有する者への加算(10 点)
2.11.5 永住許可申請に要する在留期間の見直し
(日本版高度外国人材グリーンカードの創設)
高度人材外国人の受入を促進するため、永住許可申請に要する在留期間の見直しがはかられ、いわゆる「日本版高度外国人材グリーンカード」が創設されました。(2017年4月26日)
-
(1)
70 点以上のポイントで高度外国人材として認められた者について、永住許可申請に要する在留期間が 5 年から 3 年に短縮されました。
-
(2)
特に高度と認められる高度外国人材(80点以上のポイントで認められた者)については、永住許可申請に要する在留期間が 5 年から 1 年に大幅に短縮されました。
2.11.6 高度人材ポイント制の特別加算対象大学の拡大
高度人材に出入国管理上の優遇措置を講ずる高度人材ポイント制において、「法務大臣が告示で定める大学」(特別加算:10点)の対象大学が拡大されました(2019年3月)。
2.11.7 国際金融センターの実現に向けた
高度人材ポイント制における優遇措置の拡充
在留資格関連の利便性向上のため、金融庁から資産運用ビジネスの関係者などに向け、優遇措置が講じられることになりました(2021年7月)。
-
(1)
高度専門職1号(ロ)及び(ハ)に該当する外国人のうち、第二種金融商品取引業、投資助言・代理業または投資運用業(以下「投資運用業等」という。)に係る業務を行うものは特別加算の対象となります(10点)。
-
(2)
投資運用業等に係る業務に従事する高度専門職外国人について、従来の家庭事情に係る要件または入国時の帯同に係る要件を満たしていない場合であっても、世帯年収に応じた人数の一定の要件を満たす家事使用人を雇用することが可能となりました。
- 1,000万円以上3,000万円未満: 1名
- 3,000万円以上 :2名
-
(3)
「短期滞在」の在留資格で在留中に投資運用業等の登録を受けた場合について、「短期滞在」の在留資格から直接「高度専門職」、「経営・管理」等の在留資格へ変更することが可能となりました。
-
(4)
高度専門職外国人の就労する配偶者は、高度専門職外国人と同様に、入国・在留手続の優先処理の対象となります。
2.11.8 特別高度人材制度(J-Skip)の導入
高度外国人材について、学歴または職歴と年収が一定の水準以上であれば「高度専門職(1号)」の在留資格が付与されることになりました(2023年4月)。
また、入国後1年で「高度専門職(2号)」に変更することが可能になります。
「高度専門職(2号)」では「高度専門職(1号)」の活動と併せてほぼ全ての就労資格の活動を行うことができ、下記の優遇措置が受けられるほか、在留期間が無期限となります。
-
(1)
高度学術研究活動(大学教授や研究者等)
-
(2)
高度専門・技術活動(企業で働く技術者等)
- 修士号以上取得、年収2,000万円以上の者
- 従事しようとする業務などに係る業務経験10年以上かつ年収2,000万円以上の者
-
(3)
高度経営・管理活動(企業の経営者等)
- 従事しようとする業務等に係る実務経験5年以上かつ年収4,000万円以上の者
優遇措置:
特別高度人材の場合は、高度人材ポイント制による優遇措置よりも拡充された、以下の優遇措置を受けられます。
-
※
特別高度人材証明書が交付され、在留カードの裏面欄外の余白に「特別高度人材」と記載されます。
-
(1)
複合的な在留活動の許容
-
(2)
在留期間「5年」の付与
-
(3)
在留歴に係る永住許可要件の緩和:在留期間「1年」で永住許可の申請が可能
-
(4)
配偶者の就労:
- 配偶者は、在留資格「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」および「興行」に加え、在留資格「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」および「技能」に該当する活動についても、経歴等の要件を満たさなくても、週28時間を超えて就労可能
-
(5)
親の帯同
-
(6)
家事使用人の雇用:
- 世帯年収が3,000万円以上の場合、外国人家事使用人を2人まで雇用可能
-
(7)
大規模空港等に設置されているプライオリティレーンの使用が可能
-
(8)
入国・在留手続の優先処理
2.11.9 未来創造人材制度(J-Find)の導入
優秀な海外大学等を卒業等した人材が3要件を満たして日本において「就職活動」または「起業準備活動」を行う場合、在留資格「特定活動」(未来創造人材)が付与され、最長2年間の在留が可能になりました(2023年4月)。
-
(1)
1. クアクアレリ・シモンズ社公表のワールド・ユニバーシティ・ランキングス、
2. タイムズ社公表のワールド・ユニバーシティ・ランキングス、
3. シャンハイ・ランキング・コンサルタンシー公表のアカデミック・ランキング・オブ・ワールド・ユニバーシティズ
の3つの世界大学ランキング中、2つ以上で100位以内にランクインしている大学を卒業、またはその大学の大学院の課程を修了して学位または専門職学位を授与されていること -
(2)
卒業から5年以内
-
(3)
滞在当初の生計維持費20万円の所持
の3要件の全てを満たす者が対象者であり、かつ活動内容が「就職活動」「起業準備活動」「上記活動を行うために必要な資金を補うための就労」のいずれか
対象者が扶養する配偶者・子には、在留資格「特定活動」(未来創造人材の配偶者等)が付与され、帯同することができます。なお、この配偶者・子の就労には、「資格外活動許可」が必要です。
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Section 2:目次
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2.1
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2.2
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2.3
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2.4
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2.5
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2.6
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2.7
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2.8
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2.9
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2.10
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2.11
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2.12
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2.13
Section 2:ビザ(査証)・在留資格 各種申請書類
Section | 申請書式名 | 申請様式の掲載箇所 | 管轄省庁等 |
---|---|---|---|
2.4.2 | 在留資格認定証明書交付申請書(経営・管理) | 在留資格「経営・管理」→在留資格認定証明書交付申請 | 出入国在留管理庁 |
2.4.2 | 在留資格認定証明書交付申請書(高度専門職) | 手続きの流れは?必要な申請書類は?>2申請書類等について | 出入国在留管理庁 |
2.4.2 | "在留資格認定証明書交付申請書 (技術・人文知識・国際業務)" | 在留資格「技術・人文知識・国際業務」→在留資格認定証明書交付申請 | 出入国在留管理庁 |
2.4.2 | 在留資格認定証明書交付申請書(企業内転勤) | 在留資格「企業内転勤」→在留資格認定証明書交付申請 | 出入国在留管理庁 |
2.4.2 | 在留資格認定証明書交付申請書(法律・会計業務) | 在留資格「法律・会計業務」→在留資格認定証明書交付申請 | 出入国在留管理庁 |
2.4.2 | 在留資格認定証明書交付申請書(技能) | 在留資格「技能」→「調理師としての活動(熟練した技能を要する業務に従事する活動)を行おうとする場合」もしくは「調理師以外の活動(産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動)を行おうとする場合」を選択→在留資格認定証明書交付申請 | 出入国在留管理庁 |
2.4.2 | 在留資格認定証明書交付申請書(特定技能) | 在留資格「特定技能」→在留資格認定証明書交付申請 | 出入国在留管理庁 |
2.4.3 | ビザ申請書 | 「3 ビザ申請書類 ダウンロード」→ビザ申請書 | 外務省 |
2.7.5 | 在留カード記載事項変更届書 | 住居地以外の在留カード記載事項の変更届出>届出書・必要書類等 | 出入国在留管理庁 |
2.7.5 | 在留カード有効期間更新申請書 | 在留カードの有効期間の更新申請→「申請書・必要書類等」→1.在留カード有効期間更新申請書 | 出入国在留管理庁 |
2.7.5 | 在留カード再交付申請書 | 紛失等による在留カードの再交付申請→「申請書・必要書類等」→1.在留カード再交付申請 | 出入国在留管理庁 |
2.7.8(1) | 所属機関に関する届出(技術・人文知識・国際業務) | 所属(契約)機関に関する届出(高度専門職1号イ又はロ、高度専門職2号(イ又はロ)、研究、技術・人文知識・国際業務、介護、興行、技能、特定技能)→届出書参考様式 1~4 | 出入国在留管理庁 |
2.7.8(1) | 所属機関に関する届出(企業内転勤または経営・管理) | 所属(活動)機関に関する届出(教授、高度専門職1号ハ、高度専門職2号(ハ)、経営・管理、法律・会計業務、医療、教育、企業内転勤、技能実習、留学、研修)→届出書参考様式 1~4 | 出入国在留管理庁 |
2.7.8(2) | 配偶者に関する届出 | 配偶者に関する届出→届出書参考様式 1の8 | 出入国在留管理庁 |
2.8.4 | 再入国許可申請書 | 再入国許可申請→申請書・必要書類等 | 出入国在留管理庁 |
2.9 | 在留資格認定証明書交付申請書(家族滞在) | 在留資格「家族滞在」→在留資格認定証明書交付申請 | 出入国在留管理庁 |
2.9 | 資格外活動許可申請書 | 資格外活動許可申請→申請書・必要書類・部数 | 出入国在留管理庁 |
2.10.1 | 在留期間更新許可申請書(企業内転勤) | 在留資格「企業内転勤」→在留期間更新許可申請 | 出入国在留管理庁 |
2.10.1 | 在留期間更新許可申請書(経営・管理) | 在留資格「経営・管理」→在留期間更新許可申請 | 出入国在留管理庁 |
2.10.1 | 在留期間更新許可申請書(技術・人文知識・国際業務) | 在留資格「技術・人文知識・国際業務→在留期間更新許可申請 | 出入国在留管理庁 |
2.10.2 | 在留資格変更許可申請書(企業内転勤) | 在留資格「企業内転勤」→在留資格変更許可申請 | 出入国在留管理庁 |
2.10.2 | 在留資格変更許可申請書(経営・管理) | 在留資格「経営・管理」→在留資格変更許可申請 | 出入国在留管理庁 |
2.10.2 | "在留資格変更許可申請書 (技術・人文知識・国際業務)" | 在留資格「技術・人文知識・国際業務→在留資格変更許可申請 | 出入国在留管理庁 |
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