タコ・イカの加工食品を海外の食卓に

株式会社清水商店
タコ・イカの加工食品を製造する水産加工会社が、ミッション参加における商談会を通じてタイ、香港との取引を獲得。シンガポール展開も視野に更なる市場開拓を目指す。
茨城県東茨城郡大洗町 <輸出> 対象国・地域:タイ、香港
タコ・イカの加工食品製造
古くより漁業が盛んな茨城県大洗町で100年以上にわたり水産物加工業を営む清水商店は、これまで培ってきた水産加工技術を活かし、30年ほど前からタコとイカの水産加工食品の製造を手がけている。
国内外の港から取り寄せた水産物は、徹底した衛生管理体制のもとで加熱処理や下処理を行い、加工食品として全国の卸売市場やスーパー、百貨店などに送られる。
2011年11月に開催された「全国水産加工品総合品質審査会」において、同社の「釜ゆでいか」が最高賞の農林水産大臣賞を茨城県内企業として初めて受賞、被災地対象の「がんばろう!日本賞」とのダブル受賞という栄誉を手にした。
同社が活用したジェトロの主なサービス・支援
2012年9月 | 「タイ食品市場ミッション」参加 |
2013年2月 | 「香港・台湾農水産物・食品輸出商談ミッション」参加 |
2013年5月 | 「シンガポールビジネスセミナー」参加 |
2013年8月2013年9月 | 「Food Expo 2013」出展(香港) 「シンガポール食品市場セミナー」参加 |
ミッション参加で商機をつかむ
2012年3月、茨城県中小企業振興公社からの紹介で、同社は県の補助を受け、「Foodex 2012」(香港)の茨城県ブースに初めて出展した。続いて、いばらき農林水産物等輸出促進協議会が実施する香港の試食会と視察に参加。その際、近所の酒造会社が製造する日本酒が現地のスーパーに並んでいる光景を目の当たりにし、「自分たちは今まで何をやっていたのか」との思いに至り、海外展開を強く意識した。
その後、同社はジェトロのサービスを活用し、「タイ食品市場ミッション」(2012年9月)及び「香港・台湾農水産物・食品商談ミッション」(2013年2月)に参加した。
海外の商談会は、相手から率直な意見を聞くことができ、その場で商談が進展することも多い。また、参加費用も安く、商品に関心のあるバイヤーとじっくり話ができるなど、メリットも多い。同社では、商談会で名刺交換した相手に自社ブースと商品の写真を添付したメールを必ず送り、会期後も相手に自社を印象づけるようアピールしている。こうした丁寧なアフターフォローが商機に結びつき、着実に成果を上げている。
現在、同社はタコの加工食品をタイ向けに航空便で週1回、香港向けに月1~2回のペースで輸出しており、順調な取り引きが続いている。
輸出に関する海外企業とのやりとりを通じて、国内では当たり前だと思っていた同社の加工技術が海外においては優位性が高いことに初めて気づかされ、自社製品が海外でも高く評価されていると実感することができた。

「Food Expo 2013」の出展風景
シンガポール市場を新たなターゲットに
同社では、取り引き継続中の香港とタイについては、さらに掘り下げて販路を拡大し、同社製品の品質、味に対する評価を同国の食品業界内で高めていきたい考えだ。
また、シンガポールをターゲットに新規市場の開拓にも意欲を示している。同社は、13年に入ってジェトロが主催する「シンガポールセミナー」や「シンガポール食品市場セミナー」に参加して情報収集にあたっており、アジア市場を中心に海外販路開拓を進めていく。
ジェトロ担当者からの一言コメント
同社は、商談会前はジェトロのセミナーやレポート等で情報を収集、商談会後は迅速にバイヤーをフォローする等、ジェトロのサービスをうまく活用しつつ、企業自身で積極的に取り組んで成果をあげた良い例である。
ご利用いただいたジェトロのサービス
- 展示会・商談会への参加
海外販路開拓のきっかけとなる展示会・商談会への出展をサポートします。
株式会社清水商店
茨城県東茨城郡大洗町磯浜町6881-72
Tel:029-266-2211
http://shi-mi-zu.net/
従業員:80名 資本金:3,000万円
2014年3月