株式会社セラミック・ジャパン
世界に通じる高いデザイン性と技術力をもって、海外市場に挑み続ける
株式会社セラミック・ジャパンは、“せともの”の産地・瀬戸にある1973年創業の陶磁器メーカー。つくり手の想いが込められたシンプルで存在感のあるデザインと、歴史に培われた高い技術力で多くの人に届けることを目指し、その製品開発力が海外でも評価されている。
愛知県瀬戸市 ウェブサイト
- 展開国・地域:
- 欧米・オーストラリア・中国等
- 取扱製品:
- 陶磁器(オリジナル製品、OEM)

海外展開に取り組む大橋代表と溝口氏
展示会への継続的な出展で徐々に拡大してきた海外輸出
1975年にMoMA(ニューヨーク近代美術館)のパーマネントコレクションに選定されたのですが、その後2006年にMoMAから当社のオリジナル商品「スティルグリーン」の受注を受けたことが海外輸出を始めるきっかけでした。当社の製品は海外でも高い評価を得られるだろうとの評価をいただき、海外市場の可能性を考えるようになりました。
輸出に取り組み始めた当初から続けているのは、海外展示会への出展です。これまでメゾン・エ・オブジェ(フランス)、アンビエンテ(ドイツ)、サローネ(イタリア)などの欧州の名だたる展示会へ出展をしてきました。当社では、特にOEMに注力していたこともあり、来場者が自社のターゲット層とマッチするアンビエンテに、10年以上にわたって出展をしています。海外展示会の出展にあたっては、何から手を付ければよいか分からない状態でしたが、ジェトロの各種セミナーへ参加をしました。価格表の作り方などの準備から、出展後の来場者へのフォローなど、展示会出展の効果を最大限にするための基礎を学ぶことができました。そうした入念な準備を行っても、すぐに新規顧客の獲得に至ることは稀です。とりあえず5年間は続けようと覚悟を決めて取り組みました。継続して出展するなかで、OEM製造用の型などを中心とした展示内容から、自社のオリジナル製品を中心に展示するよう変更したところ、バイヤーの反応も変わり、デザインやクオリティに対する評価が得られるようになりました。こうした試行錯誤の連続や、ジェトロの専門家によるハンズオンの支援もあって、展示会出展を契機としてミュージアムショップからの引き合いなども入るようになり、海外の取引先が徐々に増えていきました。
また、国内でも行える取り組みとして、ジェトロのTAKUMI NEXTにも参加しました。Japan Streetのオンラインカタログ上に掲載した商品を見たバイヤーが、当社を訪れて商談を行ったこともあります。オンライン上で自社の製品を目に留めてもらった後は、実際に製品を手に取って、クオリティやストーリーも理解してもらいたいとの思いから、対面での商談の機会を持つことを重視しています。


既存の枠組みに囚われない新たな取り組みとそれを支える人材育成
これらの取り組みと併せて大事にしているのは、やはり製品開発力です。既存の枠組みに囚われない新しいものづくりを続けていかなければなりません。当社は、瀬戸物のメーカーですが、焼物だけでなく石川県の輪島塗、富山県の和紙、秋田県の樺細工など各地の伝統工芸技術とコラボレーションし、それぞれの素材を組み合わせて新しい製品を生み出すことにも挑戦してきました。
少数精鋭のメンバーで、海外輸出や新規製品の開発といった新たなチャレンジを継続していくにあたっては、人材確保や人材育成が課題であり、鍵だと考えています。当社では、これまで作り手として活躍していた担当者が、新たに海外事業の担当に加わったため、その育成にあたって、ジェトロの中小企業海外ビジネス人材育成塾(育成塾)を活用しました。座学での海外営業スキルの習得以外にも、他の参加企業とのディスカッションの機会も多くあり、自社内だけでは得られない気づきがあったことも参加してよかったと感じる点です。
今後の展望としては、これまで輸出実績のある欧米だけでなく、東南アジアの市場にも可能性を感じています。まだまだ価格面で難しい部分はありますが、今後確実に市場が育ち、当社製品の高いデザイン性と品質を評価してくれる顧客が獲得できると期待しています。海外ビジネスに取り組む体制も強化したので、こうした新興市場にも積極的にチャレンジしていきたいと思います。
ご利用いただいたジェトロのサービス
- 輸出有望案件発掘支援サービス
- ジェトロ招待バイヤー専用 オンラインカタログ(Japan Street)
- 中小企業海外ビジネス人材育成塾
株式会社セラミック・ジャパン
愛知県瀬戸市中品野町
https://ceramic-japan.co.jp/愛知県瀬戸市中品野町
代表取締役:大橋 正之
設立年:1973年
従業員:15名
事業内容:オリジナル製品の製造、卸
企業・ショップのオリジナル商品の開発・生産
2024年12月
