有限会社鈴研.陶業

建物を彩る美濃焼タイルから、世界の人々を彩るやきものアクセサリーへ

岐阜県多治見市で1949年から3代続く美濃焼タイルの老舗、有限会社鈴研.陶業。2008年にブランド「七窯社」を立ち上げ、職人の手によって一粒、一粒、丁寧に作られたやきものアクセサリーを制作。TAKUMI NEXT事業は2022年度に初参加し、米国のライフスタイルショップ、ミュージアムショップとの取引に成功。

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展開国・地域:
米国、モロッコ、シンガポール、フランス
取扱製品:
タイル役物素地製造販売、小ロットタイル製造販売、やきものアクセサリー製造販売

営業担当 中野さん

コロナ禍にも関わらず、狙っていた地域に進出成功

当社は1949年にタイル商社として創業し、1988年に外壁役物生素地タイルメーカーを設立。2008年に「七窯社」をブランド名として、タイル雑貨の製造販売をスタートしています。七窯社は、「建物を彩る建材から、人を彩るアクセサリーへ」をコンセプトにタイルの新しい楽しみ方を発信していますが、その一つとしてやきものアクセサリーがあります。
2022年、コロナ禍の影響で海外展開は仕切り直しになっていましたが、オンラインで海外販路開拓ができるということでTAKUMI NEXT事業に応募しました。オンライン商談では通訳の手配からバイヤー向けのサンプル送付手続きまでを事務局で対応いただけたのが非常に助かりました。米国西海岸のライフスタイルショップとは実際に取引が成立し、ちょうど商品を発送するところです。また、2023年2月に行われたNY NOWではJapan Streetの広報ブースに商品をサンプルとして置かせていただき、米国東海岸のミュージアムショップから受注をいただくことができました。まさに当社がターゲットとして狙っていた店舗のため、ご縁ができて有難い限りです。

NY NOWに出展したピアス「手描き」シリーズ

自分では足を運びにくい現地の貴重な情報源

海外事業は3名の小さなチームで取り組んでおり、まだまだ未熟なため、TAKUMI NEXTでの取り組みは現地の情報を得られる貴重な機会です。シンガポールポップアップでは現地ミュージアムショップで商品を販売していただき、終了後にメンタリングや報告書で丁寧なフィードバックをいただけました。特に、現地駐在員や旅行者がアジアのお土産として日本製のものを購入しているというデータは新しい切り口になりそうだと感じました。また、包装に関する希望もシンガポールと米国のバイヤーとで考え方が異なることも知ることができました。さらに、Japan Streetを通じてモロッコのバイヤーとも取引が成立し販路がアフリカにまで拡がりました。こうした一つ一つの情報から、現地マーケットの解像度を上げることができました。

ピアスは一つ一つ職人が手描きで絵付けを行う

他社との意見交換を通して学ぶ

メンタリングでは全国の異なる業種の企業の取り組みを垣間見ることができ、非常に励みになりました。SNSのフォロワーをどう増やすか、インフルエンサーの活用方法・商談の効果的な進め方等々、すでに何度かTAKUMI NEXTに参加している企業からノウハウをいただいています。ジュエリーは素材やデザインなどが幅広く、新たな発明品でもないため、売り方の難しさを痛感していたところ、扱っているモノが異なっていても「伝統を残しつつモダンさを掛け合わせ、商材の価値や意味合いを海外に広めていく」という魅せ方が参考になりました。海外展開に関して情報がゼロの段階から始めたので、このような横のつながりはベースを固めていくうえで役立っています。TAKUMI NEXT事業では商談の他にメンタリングやポップアップなど様々なプログラムがあるため、連絡を見逃さずとにかく参加し挑戦してみること、そして見本市参加などを継続していくことで光が見えてくると思います。

工場横の直営ショップでは好きな色・形を組み合わせて購入することができる。「好きな物を選ぶ顔は世界共通」と話す

ジェトロ担当者からの一言コメント

NYNOWでは、ブースに立ち寄った多くのバイヤーから同社のピアスを見て"So beautiful!"との声をいただいたのが印象的でした。職人が一つ一つ丁寧に絵付けしたピアスは日本ならではの細やかな手仕事であり、タイルの新たな楽しみ方として国を越えて人々の生活を彩っています。同社は他社の取り組みからも積極的に学んでおり、今後も国内外のつながりを広げられるようお手伝いしていきたいと思います。

有限会社鈴研.陶業

岐阜県多治見市
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代表取締役:鈴木 耕二
設立年:1949年
事業内容:やきものアクセサリー・陶磁器タイルの製造販売事業

2023年4月

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