株式会社ノベルズ

2006年創業の株式会社ノベルズは、北海道の十勝を拠点に肉牛・酪農・食品事業を手がける日本有数のメガファーム。自社ブランドの「十勝ハーブ牛」は、黒毛和牛とホルスタインの交雑により黒毛和牛の優れた肉質とホルスタインの豊かな肉量を併せ持つ。赤ワインのガーネット・レッドを思わせる熟成された赤身に程よくサシの入った上質な牛肉で世界の富裕層市場を狙う。

海外展開では米国への販売実績もあるが、今後の有望市場として発展目覚ましい東南アジアに注目。2018年にミャンマーに進出（現在は政変により撤退）、2020年からはタイへの輸出を開始した。国内GDPや所得の上昇が顕著で活気があり、美食への関心も高まりつつあるタイは、「十勝ハーブ牛」の輸出先として魅力的な市場と考えている。

タイではディストリビューター1社との取引があるが、卸先は日系大手流通企業と一部飲食店に限られ、輸出量は伸び悩んでいた。同社はタイでの新規取引先発掘を図るため、サンプル品やカタログを展示してバイヤーとのマッチングを図るジェトロのバンコク・サンプルショールームに出展。商品に関心を示した現地ディストリビューター9社との商談につながった。最終的に富裕層向けホテル等との取引をもつ大手ディストリビューター2社に絞り込んで商談を重ねた結果、2023年早々から取引を開始する見込みとなった。一定の品質評価が得られれば、今後は現在の3～5倍の輸出量が期待できるとみている。富裕層への浸透の次は、タイ国内向けの加工品展開、さらには周辺国やアジア全域への輸出拡大も視野に入れている。