合同会社WATASI JAPAN
着物とムスリムファッションの融合、中東展開の挑戦と学び
2018年、ジェトロの国際化促進インターンシップ事業を通じてインドネシア人女性を受け入れ、「ローカライズが大事」との学びを得ました。そして、同年の「日・UAE 経済交流キャラバン」で「着物アバヤ(注)」の反響が大きく、中東市場への展開を決意。ジェトロ事業を通じて基礎調査からスタートしました。海外展開は簡単ではなく、かつて海外在住の日本人コンサルタントからの不適切な提案により、大金を失うという経験もしました。この経験は、ジェトロと出会う前のことで、どこに相談すればよいかも分からない時期でした。しかし、今は多くの公的機関にサポートいただき、同じ失敗を繰り返さないように心掛けています。(注)ムスリムの伝統的な民族衣装に、日本の着物の生地を用いたもの。
2023年2月、日本政策金融公庫のトライアル輸出支援事業を活用しUAEのターゲット消費者3 名にサンプルを送付。消費者からは製品に対しての評価や印象、日常の消費活動や衣料品の手入れ、価格帯など、多岐にわたる意見を得ることができました。この海外消費者からの直接のフィードバックは、通常では得られない貴重な経験となり、バイヤーとの商談の基盤を築く助けとなりました。また、ハンズオン支援では専門家のスキル、経験値の高さに驚かされました。商談後のフォローとして、議事録を英文で作成し、バイヤーに送ることも習慣化しています。これは、専門家の指導のもと、商談後の進捗管理が重要であることを実感しての取り組みです。
日本の伝統と現代が「着物アバヤ」で結びつく
当社が誇る「着物アバヤ」は、上質なシルク製の日本の着物、特に格式を持つ黒留袖や色留袖の中から選び抜いた柄を用いて、世界に一つだけの製品として生まれ変わっています。このアップサイクル商品は、エシカル消費やSDGsに対する現代の高まる関心とも合致。多くのバイヤーから注目を集めています。本支援を通じ継続的に取引できるバイヤーに出会うことができました。海外展開を目指す中小企業にとって、特にお互いのビジョンや価値観に共感を持てる現地パートナーの役割は非常に大きく、海外展開をよりスムーズに進めることができます。私たちの経験から、現地の文化やニーズを理解し共に成長できるパートナーを探すことをおすすめします
専門家からのポイント
専門家の交代により2022年11月から支援を受け持ちましたが、同社はこの一年間で輸出の基本(出荷関連、価格、商談、ブランディング戦略構築、可視化(提案書等)、契約書作成、契約交渉、コレポン、販売促進)を取り入れ、多くのジェトロの支援メニューを経験されました。現時点までの現地とのやり取りはリモートですが、これらは今期中に予定している現地訪問での計画検証・同社自身での更なる輸出拡大に向けた布石となる予定です。
ご利用いただいたジェトロのサービス
- 新輸出大国コンソーシアム
日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。
合同会社WATASI JAPAN
福島県白河市
https://watasijapan.shop/
代表:名和 淳子
設立年:2016年
従業員:2名
事業内容:衣料品製造販売(着物生地を活用したムスリムファッション)
2023年12月