太田與八郎商店

当社は、国内市場の将来的な縮小を見越し、海外市場への展開を目指しました。2020 年からは、伝統的な木桶を用いた醤油造りを再開し、2022 年には木桶仕込みの醤油「あさあけ」を製品化し販売を開始しました。この販売を機に、伝統を重んじる欧州市場、特に専門家のネットワークがあるオランダへの展開を本格化させています。しかし、語学の壁や商習慣の違い、当社の強みやブランドストーリーの不明瞭さが課題として浮かび上がりました。これらの課題に対しては、Google翻訳やさまざまなツールの活用、専門家や木桶醤油輸出コンソーシアム参画メンバーとの情報交換を通じて、従業員全員で協力しながら解決策を模索しています。

当社は、SWOT 分析とロードマップ策定を実施した結果、当初のアジア市場から欧州へと対象エリアを変更しました。この変更は、伝統的な世界観を欧州の方々の方が理解しやすいと判断したためです。また、専門家の海外ネットワークを活用し、オランダのバイヤーへサンプルを送付。専門家からは、海外バイヤー目線で必要な情報やタイミングについて指導を受け、バイヤーに適切な情報提供ができました。専門家は当社の想いや商品の希少性を理解し、ブランディングを専門とする別の専門家やジェトロ仙台事務所と協力してくれました。先般、企業の最大の強み・特徴を表すブランドストーリーを決定。今後、販促ツールを整備する予定です。

当社の木桶醤油が海外市場に評価されるかはまだ未知数ですが、サンプル送付後のフィードバックを心待ちにしています。今後の課題としては、サンプルから継続取引へとつなげる方法を模索することが挙げられます。これまでの約半年で、自社商品の強みを再認識し、人的ネットワークが広がるなど、前進してきた成果を実感しています。これから海外展開を目指すなら、「まずは一歩踏み出してみること」をおすすめします。怖がらずに前進すれば、多くのアドバイスとサポートが得られ、語学の壁も様々なツールを活用することで乗り越えられます。ジェトロもその一つの相談先として、非常に頼りになる存在です。