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株式会社山神

欧州市場での迷い、専門家の助言とネットワークで大きな成果

展開国・地域：: 台湾、フランス、オランダ
事業内容：: 魚介類の養殖・水産加工食品の製造販売ほたてフライ・ボイルほたて・玉冷・飯の素

専務取締役本部長穐元美幸氏

海外進出を決意したが、困難な海外取引での学びもあった

昭和40年代、先代がほたての養殖業から事業をスタート。新鮮な陸奥湾産のほたてを日本中に届けたいという情熱のもと、水揚げから加工までの一貫生産体制を築き上げてきました。ニューヨークでの試食販売の機会が訪れ、現地の消費者からの好評の声を直接聞くことができました。この経験から、日本のほたての価値は海外でこそ真価を発揮すると確信。陸奥湾産のほたてを世界に広める志を新たにしました。しかし、海外展開には課題も多く、初めての取引では相手企業の信用性の確認が難しい場面もありました。実際に資金回収に困難を伴う取引も経験しましたが、これらの経験は今後の海外取引の際の見極めや課題解決の手助けになります。

当社が製造販売するボイルほたて

欧州への輸出を検討していた際、その広大な地域と多様な文化・人種により、どの国をターゲットにすべきか迷っていました。専門家から、フランスが欧州の情報発信地としての役割を果たしており、そこから各国への情報が広がるとの助言を受けました。コロナの影響で不透明な状況が続く中、専門家のネットワークのおかげで、フランス、オランダ、ベルギーの食品流通の現状をリアルタイムで把握。現地の見本市で各国バイヤーとコンタクトを取ることができました。当初は既存の取引先とのリピートビジネスに焦点を当てていましたが、新たな情報と視点を得ることで、さらなる販路の開拓を進めることができました。

魚介類の加工食品を手掛ける。
自社製品「ほたてフライ」

「玉雫」

「飯の素」

鮮度と美味しさで海外市場を掴む、行動と素早さが成功の秘訣

フランス市場では安価なペルー産ほたてが主流ですが、当社の卵付きほたての試食時、その新鮮さと美味しさが高く評価され、多額の成約を獲得しました。実際に現地の見本市「SIRA」でのBtoC 試食でも、消費者から高評価を得ることができました。この海外での高評価は、従業員や漁師のモチベーション向上にも寄与しています。国内市場だけでは価格の上限があるため、海外展開により売上が増大しました。これから海外展開を考えるなら、大切なのは行動力と迅速な対応です。海外市場のニーズを理解するためには、実際に現地を訪れ、肌で感じることをおすすめします。

専門家からのポイント

陸奥湾産の卵付きほたては数年間輸出がストップしていましたが、同社だけは諦めずに欧州市場へのアプローチを継続してきました。フランスに同社のほたてをという先代の願いを叶えたいという不屈の情熱が原動力となって支援に力を与え、さらに国内外から高い評価を得ている優れた商品の存在が海外展開の成功要因です。同社の思いとハンズオン支援のベクトルが合ったプロジェクトだったと言えるでしょう。

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新輸出大国コンソーシアム
日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。