株式会社村ネットワーク
「野菜パウダーを世界へ」ジェトロとの出会いで一気に海外への道が開けました
九州産のさまざまな野菜・フルーツ・穀物を用途に応じた加工方法で提供。2018年に自社開発の野菜パウダーの商品化を機に海外向け商談会に参加。以後台湾、オーストラリア、フランスなど海外の顧客を増やしている。
大分県豊後大野市 ウェブサイト
- 展開国・地域:
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・2020年度 台湾、オーストラリア、フランス
・2021年度 台湾、オーストラリア、イタリアほか - 事業内容:
- 野菜委託加工/野菜パウダーなどの製造
商品開発からジェトロとつながり、世界へ
当社は、地元・豊後大野の規格外野菜を加工し、学校・病院・レストランなどに卸してフードロスを減らし、同時に地元の女性の働く場も提供することで、地域に貢献する会社になりたいという思いでスタートしました。2018年に地元商工会から小売り向けに商品を作らないかと声をかけられ、野菜パウダーを開発。同年秋、福岡での展示会に出展しました。そこで大分県庁の方から、県主催のベトナム商談会(ベビーフード分野)を勧められ、ジェトロにもつないでいただきました。社長の頭の中には野菜パウダーの開発当初から海外進出も視野にありましたが、ジェトロとつながったことで一気に海外への道が開けました。ハンズオン支援の採択前は、対象市場や資金調達手段、数年後のプランなども固まっていませんでしたが、採択後、パートナーのアドバイスでSWOT分析や海外展開に向けたロードマップづくりをしていく中で、当社の採るべき戦略や方針が固まりました。
分析から戦略策定、そして積極的にアクション
ハンズオン支援の始まった2019年後半、当社では県の産業創造機構からの勧めで12月に沖縄大交易会での出展を控えていました。パートナーには早々に、必要資料の列挙と資料完成までのスケジュールを組んでいただき、短期間で必死に資料を一式、作成しました。振り返ると、この時に準備した資料が、その後どのような商談においても役に立っています。2020年からはコロナ禍で出会いの場が減りましたが、それまでに参加していた沖縄大交易会、ジェトロ沖縄やジェトロ大分の商談会で出会った台湾、オーストラリア、フランスの企業と、複数回の商談を経て成約に至りました。成約に1年かかったケースもあります。パートナーからは常々、「とにかく連絡をまめに」「間が空いたらメールでアクションを起こして」と助言をいただいていたので、多少押しすぎるくらいにアプローチをしましたが、海外企業相手の商談では、割と強くプッシュするくらいの方が受け入れられやすいと感じています。
チャレンジの数だけ、得られるものがある
当社では海外での販売実績が商品の信用向上につながり、国内企業からの注文増にもつながりました。大分県いちごブランド「ベリーツ」のパウダーは、県を代表するお土産菓子に採用されたほか、野菜パウダーも、地元野菜の利用だけでは供給が追いつかない状況です。海外顧客からは、日本風パッケージや、業務用サイズへの大容量化といった要望もありましたが、都度、当社の方針と照らして対応可否を判断しています。今後は、当社の野菜パウダーのどういう点が海外で評価されているのかの分析を深め、当社のターゲット顧客層をより明確にし、事業の拡大につなげたいと思います。海外へ目を向けるなら、身の丈に合ったご提案や手厚いフォローをいただけるジェトロに相談するのが一番だと思います。チャレンジの数だけ、学びや成長があり、またその中から成約が生まれます。そして何よりも「意識してアクションを起こす」ことが大切だと思います。
専門家からのポイント
野菜パウダーはニッチ商品であるため、単純に日本の調味料や加工品を取り扱うバイヤーへ紹介しても、なかなか成約には至りませんでした。そこでバイヤーのターゲットを変え、日本食専門バイヤーではなく健康食品を取り扱うバイヤーや、海外の飲食店向けに「簡単に作れる野菜ソース」といった形で商談を繰り返した結果、ニッチ商品であることが「強み」に変わり、複数国との新規取引が始まりました。今後は設備投資により製造原価を下げる取り組みもあり、さらなる販路開拓に期待したいです。
ご利用いただいたジェトロのサービス
- 新輸出大国コンソーシアム
日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。
株式会社村ネットワーク
大分県豊後大野市
https://muranetwork.com/
代表者:小原 秀樹
設立年:2005年
従業員:14名
事業内容:野菜委託加工/野菜パウダーなどの製造
2021年12月