株式会社三恵ネット

当社はポリプロピレン製のアルミサッシ用防虫網などの生産・販売を行っています。国内市場は人口減少により新設住宅着工戸数も80～90万戸と、170万台あった1980年代後半のピーク時から半減しており、新市場開拓に向け海外展開を検討しました。社内でも、創業者含め株主・役員などに、活動計画やコスト、費用対効果などを説明し、都度、方針説明会を通じて理解を得ました。そうして社長直轄プロジェクトチームを発足し、2014年にはシンガポールの建築資材関連展示会「BEXアジア」に出展。名刺交換をした企業にコンタクトし、受注につなげました。地方銀行主催の海外展開セミナーなどでジェトロのサービスを耳にし、新輸出大国コンソーシアムのハンズオン支援を受けました。対象国は、網戸を使う文化の素養や輸送費のほか、担当者自身が情熱をもって取り組める地域であることを念頭に絞り込みました。当初は東南アジア中心でしたが、その後、オーストラリアにシフトしました。

市場調査には、ジェトロメンバーズの会員特典「ミニ調査」をフルに活用したほか、ハンズオン支援の専門家と共にネットリサーチを実施し、その後の海外出張にも同行いただきました。これまで支援いただいた2人の専門家には、現地情報はもちろん、商談アポの取り方から、商材価格の妥当性や分析方法、必要な品質基準、さらには現地の検査機関のレポートの方が信頼されるといった情報やセールスレップの活用など、当社の担当者が独力でも進められるようにと懇切丁寧に指導いただきました。また専門家の現地での人的ネットワークも紹介いただき、とても助けられました。東南アジアでは網戸よりも蚊帳の文化が定着しており、そうした習慣の違いがある中、あえて日本の様式で売り込んだため、販路開拓には苦労しました。また、薬事法や防炎、UV対候性など商材に係る現地の法規制は、現地の人でも理解している人が少なく、法規制を確認していくことがとても大変でした。