北陸製菓株式会社

キャラクター・金沢素材の両輪で世界に挑む

1918年創立、地元素材を生かしたビスケットやキャラクター商品等の製造・販売を行う。海外バイヤーとのオンライン商談会や展示会、貿易実務講座等を活用して、海外販路を拡大中。

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展開国・地域:
中国、香港、台湾、韓国、タイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、 マレーシア、米国、オーストラリア、フランス
事業内容:
ビスケット、カンパン、煎餅の製造、企画、販売

金沢伝統の味、俵屋のじろあめを使用した米蜜ビスケット

コロナ禍のオンライン商談でも基本に忠実に

2015年に海外事業を開始して以来、13ヵ国・地域にビスケット等のお菓子を輸出しています。新型コロナウイルスにより渡航が難しくなる前は、海外展示会にも参加、毎日100名を超える来場者と名刺を交換し、商談を行っていました。現在は3名体制で、貿易実務講座に参加しノウハウを蓄積しながら、コロナ禍でも販路拡大を目指すべく、海外バイヤーとのオンライン商談会や展示会に積極的に参加しています。2020年度は、ジェトロが主催するオンライン商談会に10回以上、参加しました。また、オンライン海外展示会Alibaba.comにも初めて出展しました。オンラインだと中々難しいという声も聞きますが、逆に、商談が組まれた時点で、少なくとも当社に関心を持ってくれているため、アピールがしやすいという利点があります。ただし、バイヤーは画面越しに多くの事業者と商談を行うため、いかに覚えてもらうか、商談後にフォローを行うかが重要と考えています。それにより、昨年、参加したオンライン商談会で新たにマレーシア、フランス、中国のバイヤーと成約に至り、販路を拡大することができました。フランスについては同国に向けた初めての出荷となりました。Alibabaにおいても、デジタル広告を活用しながら、積極的にバイヤーにサンプルを提案し、中国大手スーパー、東南アジアの食品卸企業と、成約することができました。

「ビーバー」の製造工場

具体的には、サンリオを始め、世界的に知られているキャラクターを使った製品の紹介から始めるなど、記憶に残りやすいプレゼンを意識しています。また、商談後の連絡も、直後に自己紹介メール、翌日に商品に関するメール、次週にディスプレイの提案メールと、返信の有無にかかわらず、なるべく多くコンタクトを取り、バイヤーの目に留まるよう意識しています。実際に1通目、2通目には返信がなかったが、3通目を送ったところ、先方は忙しくて連絡ができていなかっただけで、返信があり、成約に至ったケースもありました。また、バイヤーが連絡しやすいよう、Eメール以外の連絡手段も持つようにしています。例えば、欧州・東南アジアのバイヤーとは「WhatsApp」、中国のバイヤーとは「WeChat」等です。対面で会って話すことができないからこそ、基本に忠実に、丁寧なコミュニケーションを心掛けています。

海外で人気のYORISOYMILK ※画像提供:北陸製菓株式会社

マーケットインの姿勢を大切に

2019年にNBAの八村塁選手が「白えびビーバー」をチームメイトに勧めたことで、全国から注目を集めました。本来、ビーバーは国内向け商品で、輸出実績は台湾へのスポット輸出のみでしたが、2、3年前から海外からの引き合いも増えたため、2021年6月、工場の設備を増設し、これまで生産が追いつかずストップしていた、のどぐろ、カレー味も復活させました。また、4月には、かねてから取り組んできた賞味期限を、4か月から半年に延ばしました。その結果、中国のほか、タイ、米国、フランス等からも引き合いが来ています。

海外市場を開拓するにあたり大切なことは、マーケットインの姿勢だと考えています。当社では、海外でのサンリオ人気に対応した商品や、機能性商品への関心の高まりに商機を感じ、食物繊維や乳酸菌を取り入れた商品開発を行いました。また、現地の消費者が一目で分かるよう、ネーミングを英語で行ったところ、ヒットし、海外での主力商品に成長しましたものもあります。海外バイヤーからのリクエストは、パッケージやサイズ、原材料の変更等、幅広いですが、できる限り対応するよう努めています。例えば、トムヤムクンなど、現地の料理とのコラボの提案があった際には、その土地の調味料を調達し、他部署も巻きこんで商品企画の検討を行っています。時には、海外市場の現状や日本産食品の可能性に関するジェトロウェビナーを視聴し、情報取集を行うなど、新たなビジネスチャンスを模索しています。

手焼き煎餅体験もできる本社直営のショップ「金沢彩匠」

金沢の素材で、世界に

現在、アジアを中心に輸出を行っていますが、今後は動物性原料の規制が厳しい欧州、未開拓の中東にもチャレンジしたいと考えています。また、将来的には、グルテンフリーやオーガニックのニーズに対応した商品の開発にも取り組むなど、商品開発にも一層、力を入れていく予定です。特に、欧州は、その土地の個性を評価する傾向があるため、キャラクター商品だけでなく、甘酒や五郎島金時、あめ等、金沢の素材を生かした商品を積極的に提案していきたいと思っています。

北陸製菓株式会社

石川県金沢市
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代表取締役会長 髙﨑 憲二
代表取締役社長 髙﨑 憲親
設立年:1918年4月
従業員:100名
事業内容:ビスケット、カンパン、煎餅の製造、企画、販売

2021年8月

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