WEF技術開発株式会社

ジェトロの存在をもっと早くから知っておけばよかった

工場設備のメンテナンス業を行っている、株式会社アオヤマエコシステムの水処理と廃棄物のリサイクル部門が、2016年に分離・独立。2018年には汚泥処理のための合弁会社を中国で立ち上げ事業展開をしている

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展開国・地域:
2009年 台湾
2017年 中国
2018年 ベトナム、シンガポール
事業内容:
水・エネルギー・食料の地産地消技術開発、水処理設備設計施工・メンテナンス、河川・池浄化再生、脱水余剰汚泥削減・リサイクル、有機廃棄物(生ゴミ・水草・トウモロコシ茎等農業残渣)減容処理・リサイクル

代表取締役 青山 章 氏

新規開発したシステムを武器に海外展開を目指す

日中韓三カ国による環境産業・技術共同展示への出展(2018年6月・北京)ブースで持ち込まれた危険汚泥を無害化処理

企業寿命が30年と言われていることもあり、今のビジネスモデルのままでは将来的に立ちゆかなくなるのではという思いがもともとありました。弊社では国内事業で工業用水の水処理を行うシステムを開発した経験があったことから、この技術力を使った新規事業の立ち上げを決意しました。これは、私が立ち上げた株式会社アオヤマエコシステムの30期目にあたる2006年のことです。しかし、日本国内では既にこのようなシステムを導入している企業が多く、新規参入は困難と判断しました。そこで、規制が厳しくなってきた海外であれば参入するチャンスもあるのではないかと考えました。同じ時期、近畿経済産業局が「関西・アジア・環境・省エネビジネス交流推進フォーラム」、滋賀県が「しが水環境ビジネス推進フォーラム」というプロジェクトを開始しました。そのプロジェクトを活用し、弊社は海外などの展示会へ出展するようになりました。滋賀県が友好関係であった台湾に注力していたこともあり、台湾企業と一緒に事業展開をすることになりました。

中国の規模の大きさと考え方の違いに困惑する日々

海外での展示会に出展すると、ベトナム企業から非常に多くの問い合わせが寄せられましたが、商談を進める途中で、お金の問題で破断となるケースが続きました。そこで、お金を持っている国はどこだと考えたところ、中国しかないという決断に至りました。しかし、中国企業と商談をしていくと、規模の違いが問題になりました。日本では1日100tの水を処理できたら大きい方なのですが、中国では平均で約5,000tの処理能力を有するシステムが要求されました。場所によっては1万tを超えるケースもでてきます。弊社のシステムもオンリーワンの技術なので、国内と50倍も違うケースとなると根幹から設計し直す必要が発生しました。さらに、こちらが中国企業の要望に応えようと真剣に考えている中、中国側は規制をくぐり抜ける道を模索しており、この考え方の差が問題となっておりました。しかし、長い時間を掛けて商談を重ねていく中で、その辺りが分かりはじめ、中国企業に合った効率のいい提案ができるようになり、弊社のシステムが採用されるようになりました。

ベトナムの代理店での危険汚泥無害化試験

社内には中国や台湾で取得した特許の証明書が飾られている

オンリーワンの技術アピールが大切

今、中国で問題になっているのが汚泥に含まれている重金属などの処理、いわゆる危険汚泥の処理です。この解決技術を中国は持ち合わせていないため、弊社が開発した処理システムを採用していただき、汚泥処理に対応する合弁会社も中国に設立しました。中国企業との商談では「中国にはないこういう技術を私たちは持っています」というオンリーワンの武器がないと受け入れてくれません。しかし、一度中に入ってしまえば、これはできないか?これもできないかとビジネスのチャンスが広がっていくという市場でもあります。やはり、海外進出にはその国のシステムや習慣を知ることが大切だと感じました。国や県のプロジェクトは商談のセッティングはしてくれるのですが、それ以降は自力での開拓が必要になります。しかし、ジェトロは商談の場に立ち会ってくれるだけでなく、事前調査や新たな企業も紹介してくれます。ジェトロには2016年から海外展開のアドバイスを受けているのですが、もっと早く存在を知っていれば良かったと思っています。

専門家からのポイント

今回のチャレンジは中国東北部最大の環境関連企業との共同開発契約および売買契約の締結をいかにスムーズに進め、かつ代金を回収するかということでした。中小企業であっても交渉の過程や契約締結に至る過程は大企業のプロジェクトと同様で詳細に詰めていくことが必要です。優れた技術を提供しているという強い思いを持ち、各条件で妥協せずに時間をかけて交渉を進めたことが注意した点です。対人での交渉の重要性に加えて相手側が如何にプロセスを進めやすくするかという書類作りは欧米のみならず中国でも特に重要とされることではないかと思います。

ご利用いただいたジェトロのサービス

  • 新輸出大国コンソーシアム
    日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。

WEF技術開発株式会社

滋賀県大津市
http://aoyama-wefit.com外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

代表者:
青山 章
設立年:
2016年7月
従業員:
5名
事業内容:
水・エネルギー・食料の地産地消技術開発、水処理設備設計施工・メンテナンス、河川・池浄化再生、脱水余剰汚泥削減・リサイクル、有機廃棄物(生ゴミ・水草・トウモロコシ茎等農業残渣)減容処理・リサイクル

2019年3月

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