天鷹酒造株式会社

自社の酒が海外でも親しまれるこのワクワク感が原動力です。商談前は事前の準備を怠りません

日本酒、蜂蜜酒、焼酎、リキュール、加工食品を製造および販売。日本、EU、米国での有機認証を取得した日本酒を生産する日本でも数少ない蔵元。2000年から輸出を開始し、現在は北米、EU、アジアなど18カ国へ輸出

栃木県大田原市 ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

展開国・地域:
2017年 ミャンマー
2018年 フランス、オーストラリア
2019年 スペイン、イタリア、オーストリア
事業内容:
日本酒、蜂蜜酒、焼酎、リキュール、加工食品の製造および販売

代表取締役 尾﨑 宗範 氏

自身のワクワク感が輸出への原動力

「自社の酒がニューヨークやさまざまな国のお店に並んでいたら嬉しいな」という私自身の夢、ワクワク感が輸出への原動力です。2000年ごろ、米国ニューヨークでジェトロ商談会に参加したことがきっかけで輸出が始まりました。現地で知り合ったワイン輸入業者がちょうど日本酒部門を作るタイミングで、ワインの納品先に日本酒も売り込んでくれました。EUへは2010年2月にドイツ有機食品見本市BIOFACH2010への初挑戦が契機となり、現在も輸出が続いています。ワインやウイスキー、ビールなどさまざまな酒類の本場であるEU市場で、認められて輸出を続けられていることが、その他の海外市場や日本国内のブランド価値向上につながっています。地元でも行列に並んで買っていただけるくらいになりたいですね。海外でも弊社の酒が親しまれることは、社員にとっても誇りに感じられることだと思います。

日本、米国、EUの有機認証取得済みの日本酒

酒蔵

おいしいだけじゃない、「有機」という強みをアピール

有機認証については、2005年に有機JAS認証、2014年に米国とEUの認証を取得し、海外へ有機日本酒として売り込みを開始しました。「有機」で海外に売り込んでいくには、現地のインポーターや流通業者なども有機ライセンス取得が必要となる場合があり、そのコストも小さくありませんので簡単ではありません。多くの酒蔵が参加する展示商談会では、他とは違う「有機」であることが海外バイヤーの目を引くきっかけになっています。すでに複数の銘柄を扱っているようなバイヤーに新規で輸入したいと思ってもらえるような特長や個性があることが何よりの強みになります。

仕込風景

海外の展示会や商談会にも積極的に参加

事前の情報収集とフォローアップが決め手に

20年近く前から海外ビジネスに取り組んできましたが、その中で、ジェトロから各国のマーケットや輸出入手続き、現地インポーターについて最新情報を入手したり、海外見本市や国内外商談会を通じてバイヤーを発掘したり、公的支援を何度も活用しました。商談イベントでバイヤーと出会うだけでは成約につながりにくいので、事前に情報収集をすることやバイヤーの特徴などを調べてアプローチしておくことが有効です。また、ジェトロ「新輸出大国コンソーシアム」の専門家には2018年9月から、専門商社にいた時に培った広い人脈を生かしたサポートを受けたことが、具体的な成約につながりました。最近は、海外のバイヤーや小売店、消費者とSNSで直接つながって、よりタイムリーな情報発信や懐に入ったコミュニケーションができるようになってきました。スマホ片手に気軽にやり取りができるのは酒蔵にとってもお客様にとってもメリットがあるので、SNSはグローバルな展開には欠かせないツールだと思います。

専門家からのポイント

天鷹酒造は、年々EUで需要の高まる有機(BIO)市場開拓のため、有機栽培の水田で酒造米を育て、収穫しています。さらに、普通酒をコメの旨みをしっかりたたえた酒質に引き上げました。専門家としては、EUのワイン市場で戦うには、「UMAMI」のリッチな酒、あるいは全く別の切り口で、BIOにこだわりを持つ消費者に向けて、日本では希少なBIO酒として競合銘柄との差別化を訴求すべきと助言しました。また、EU駐在経験のある、優秀なスタッフのフットワークの軽さと積極的な交渉力も奏功し、遂にフランス、スペインへの輸出拡大が実現しました。

ご利用いただいたジェトロのサービス

  • 新輸出大国コンソーシアム
    日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。

天鷹酒造株式会社

栃木県大田原市
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代表者:尾﨑 宗範
設立年:1914年2月
従業員:24名
事業内容:日本酒、蜂蜜酒、焼酎、リキュール、加工食品の製造および販売

2019年9月

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