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常総ひかり農業協同組合
日本梨をベトナムに輸出。初年度で100トン越えに!

農林水産物・食品

常総ひかり農業協同組合(JA常総ひかり)では、茨城県常総市・下妻市・八千代町の2市1町の地域で、組合員の営農や暮らし全般をサポート。管内では、米の生産を軸に白菜・梨・スイカ等青果物の生産や養豚が盛ん。特に、下妻市の梨生産は、ほぼ全量を市場に出荷する組織力を活かした市場出荷型の一大産地を形成している。

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「ジャパンフェア2017・茨城県産梨プロモーションイベント」の様子

産地活性化のため、海外販路開拓を目指す

梨生産量全国第2位の茨城県において、下妻市は、県内有数の梨の大型産地です。しかし、近年は、消費者の果物離れ等で梨の消費が減り、市場価格が低迷。市場での「下妻の梨」の知名度は低く、また、後継者不足による生産者の高齢化や老木化による収穫量減少といった問題も抱え、下妻市は若手生産者にとって魅力ある産地とはいえませんでした。

「今何かをしなければ産地が終わってしまう…。下妻梨の知名度を上げて市場に選んでもらえる梨をつくろう!」

その想いを胸に若手生産者とJA常総ひかりでは、まず良質の有機質資材(馬ふん)を統一して使用するなど土作りを変え、病害虫を防ぐ方法として環境にやさしいフェロモン剤を使用する減農薬栽培に取り組みました。2008年には若手生産者有志による「下妻の梨PRプロジェクトチーム」を結成。食感と梨本来の風味にこだわった「下妻甘熟梨」を打出しました。同チームでは、国内の量販店バイヤーと直接取引価格を交渉し、生産者自らが店頭に立っての試食PRや、梨狩りイベントの開催など産地PRにも力を入れました。「下妻の梨」の知名度は上がり、少しずつですが市場価格も向上。産地活性化につなげることができました。

一方、今後の国内消費の減少を見据えると、輸出を考える必要性を感じており、海外販路開拓を目指すこととしました。

2013年9月、タイで開催された見本市 「SME Thailand Expo 」へ参加。試食アンケートによる味の好みや購入希望価格を調査しました。同年10月には、シンガポールに660kg輸出し現地で試食PRも行いましたが、取引は単年で終了しました。

2014年7月には、タイ・バンコクの日本食レストランを個別訪問しての商談を実施。しかし、輸出できた梨は130kgと少量に留まりました。輸出手続きや海外バイヤーとの付き合い方についての知識と経験が不足していることに課題を感じました。

2014年のジェトロ茨城開所が輸出の転機に

輸出が伸び悩むなか、2014年6月にジェトロ茨城が開所し転機が訪れました。同年9月に開催するマレーシアでのジェトロ商談会の紹介を受け、すぐにエントリーしました。事前の商談スキルセミナーにも参加し、海外バイヤーへの価格・取引条件の提示方法を習得。商談会では、日本梨に興味を持つ日系企業バイヤーに出会うことができました。続けて同年10月、タイでのジェトロ商談会にも参加しました。

どの商談でも取引につながりそうな好感触を得ましたが、帰国後、海外バイヤーにE-Mailを送っても返事がないため、ジェトロ茨城の所長に相談しました。すると、すぐにバイヤーへ国際電話をかけてもらい、取引の意向を確認してもらうことができ、結果、マレーシアに260kgの梨を輸出することができました。しかし、まだ、単年取引で終わる不安を抱えたままでした。

2015年4月、マレーシア、タイからの海外バイヤー招へい事業をジェトロ茨城が実施。商談だけでなく、生産現場を視察してもらうことで、品質の高さを実感してもらいました。また、取引を継続的なものとするためには、海外バイヤーと実際に会う機会を増やすことが重要と考え、価格交渉や輸出スケジュールを決定する際には、海外へ直接出向くようにしました。結果として、マレーシアに6.7トン、タイに1.3トンまで輸出量を増やすことができました。


「ジャパンフェア2017・茨城県産梨プロモーションイベント」の様子

さらなる輸出増を実現するため新たな輸出相手国の開拓の必要性を感じていたところ、ベトナムで日本梨の輸入が解禁されるとの情報が入りました。輸入解禁となる2017年1月を照準に、全国に先駆けて園地登録を実施。同年3月には試験輸出を行いました。

同年7月、ベトナム・ホーチミン市でのジェトロ主催商談会に参加し、多くの現地小売店バイヤーへ試食PRしました。ベトナムでは、現地系バイヤーとの取引に挑戦し初年で105トンもの輸出へと拡大。現地での販売促進については、同年9月にジェトロがホーチミン市で開催した「ジャパンフェア2017・茨城県産梨プロモーションイベント」を活用したことで、現地消費者から高い関心が得られました。

今後は、現地での販売促進に力を入れ、インバウンド向け梨狩りで梨ファンを増やし、海外から選ばれる産地を目指します。

ジェトロ活用のメリット

ジェトロが主催する商談会では、一定の信用を持つバイヤーと出会うことができます。また、ジェトロ主催のセミナーでは、正しい貿易知識を得ることができます。ジェトロ茨城からは、新たな海外情報等フォローアップを受けることができ、初めての海外商談会の際には、所長に随行してもらうことができました。

ジェトロ茨城 所長 西川壮太郎・吉原宏之から

梨輸出の取組は、JA職員だけではなく、必ず生産者が商談会でのバイヤーとの交渉の場に立ちます。生産者・JA・行政が一丸となってジェトロ事業を上手く活用している取組です。海外に日本梨のファンが増えることに期待しています。

写真 ジェトロ茨城 所長 西川壮太郎・吉原宏之

常総ひかり農業協同組合 下妻支店 営農課長 上野博樹

ご利用いただいたジェトロのサービス

  • 展示会・商談会への参加
    海外販路開拓のきっかけとなる展示会・商談会への出展をサポートします。
  • 貿易投資相談
    本部(東京)、大阪本部、国内各地の貿易情報センターなどでは、お客様から電話、Fax、E-mailで寄せられるご相談にお答えします。
  • 海外バイヤー招へい商談会
    海外の有力バイヤーを日本に招聘して開く商談会です。海外の展示会に参加するのは大変と思われる方にもトライいただける商談会です。
  • 海外ブリーフィングサービス
    世界約70カ所の海外事務所にて、現地一般経済事情やビジネス環境について、海外駐在員や専門アドバイザーが情報提供を行います。

常総ひかり農業協同組合

茨城県下妻市下妻丙630番地1(下妻支店営農課)
Tel:0296-43-4171
URL:http://www.jahikari.or.jp外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
代表者:代表理事組合長 塚本 治男

職員:392名
事業内容:果実(梨・ぶどう等)や野菜の集出荷、販売、市場開拓等
目的 :輸出
対象国・地域:タイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、カナダ、インドネシア

2018年7月

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