吉田海運株式会社
人材育成、能力向上が事業展開を下支え

五島列島などの離島への海運事業で創業、佐世保の港湾荷役や佐世保重工業をはじめとする構内の荷役で、豊富な知見や真摯な対応を武器に成長し、西日本を中心にネットワークを拡大してきた。造船業が伸び悩んだ1980年代には、冷凍・冷蔵・常温の三温度帯物流にも進出。2019年の創業100周年を控え、15年9月、吉田康剛氏が社長に就任。温めてきた海外進出が、実行の段階を迎えている。

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海外ビジネス経験
:なし
目的
:海外進出
対象国・地域
:ベトナム

日本国内において西日本を中心とした物流ネットワークを展開

ジェトロ活用のメリット

海外進出を具現化するため、ジェトロの専門家をフル活用。専門家の知見や人脈は進出先の絞込みのみならず、パートナー候補の選定や顧客開拓、法制度の調査などでも大いに活きる。海外出張への同行も心強い。

ご利用いただいたジェトロのサービス

  • 国際即戦力インターンシップ事業
  • 新興国進出個別支援サービス
  • 海外展開のための専門家活用助成事業

三温物流の成長を見込んでホーチミンへ

社長の吉田氏は2010年頃より公共事業の縮小や円高、株安に伴う景気後退の中で、将来的な国内事業に限界を見ていた。「(英国)エコノミスト誌の経済予測などを見ても、20年頃には日本経済が縮小に向かうとの見方が大勢となっていた。経営余力のある段階で、チャレンジを」と、海外進出を志した。
注目したASEANでは経済成長に伴い生活レベルが向上するにつれ、物流が増えると予測し、ベトナム、タイ、ミャンマー、シンガポールを中心に検討を進めた。13年度から、ジェトロの専門家による新興国進出個別支援サービスを利用。ジェトロの専門家の豊富な国際物流の知見を活用し、ベトナム・ホーチミンを進出候補先に絞り込んだ。
ベトナムは親日的で、9,000万人超の人口に加え、平均年齢約28歳の若さ。ベトナム最大の人口約800万人を抱えるホーチミンは、1人当たりGDPも4,000ドルを超え、新空港の建設や日系企業の積極的な進出で、大きな転換期にある。こうした中、コールドチェーンへのニーズが高まり、三温度帯輸送に対応した日系のトラック事業者や倉庫事業者の進出が始まっており、同社も物流面での先駆者を目指して取り組みを開始した。


専門家と現地不動産を巡り駐在員事務所の場所を選定。ホーチミン事務所初代所長 山﨑氏(左)

人材育成、能力向上が事業展開を下支え

14年度にはジェトロの専門家の勧めもあり、ジェトロの国際即戦力インターンシップ事業を活用するかたちで、若手社員の山﨑裕太氏をホーチミンの現地物流企業に5ヵ月間派遣した。その後も同専門家の支援を得ながら、早期の現地法人設立に向けて、現地の法制度を考慮しつつ、出資比率をはじめとした進出形態について検討を重ねている。現地法人設立後には、ホーチミンからの南部回廊や東西経済回廊に沿って、カンボジア、ラオス、タイ、ミャンマーに物流ネットワークを構築することも視野に入れている。
現地法人設立に先立ち、16年1月、ホーチミンに駐在員事務所を開設、山﨑氏が初代所長として着任した。今後は、福岡県須恵町の同社物流センターで経験を積んだベトナム人留学生を現地に送り込む予定である。同センターでは現在、のべ数十人の外国人留学生が実務を学んでいる。人材育成や能力向上を重視する吉田社長は「常識で分かるはず、以心伝心で分かってほしいというのは、外国人活用にあたってはフェアではない」と、日本流の整理整頓や「べからず」を丁寧に教えている。こうした人材の育成、能力向上が今後の同社の海外展開をさらに発展させていくことになろう。


吉田海運(株)
代表取締役社長 吉田 康剛 氏

提案型企業として幅広い種類の物流でニーズに応えるとともに、現地の人材を適切に管理し活用できるグローバル人材を育てたい。

写真 代表取締役社長 吉田 康剛 氏

ジェトロ長崎
所長 小谷 哲也

海外進出で第3の創業期に。創業100周年を目前に、吉田社長が温めてきたASEAN進出をお手伝いし、新たな次元での社業のご発展に寄与したい。

写真 ジェトロ長崎 所長 小谷 哲也

ご利用いただいたジェトロのサービス

吉田海運株式会社

長崎県佐世保市干尽町48
Tel:0956-34-6750
http://www.yoshida-kaiun.co.jp/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
代表取締役社長:吉田 康剛
従業員:600名 資本金:1,200万円
事業内容:アセット型サード・パーティ・ロジスティクス事業、物流倉庫事業、運送事業、ブロック船体製造、船内内装施工

2016年3月

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