株式会社吉田屋海苔
国内商談会で中東バイヤーと出会う
株式会社吉田屋海苔
商品開発から販売、漁業関係者とともに
吉田屋海苔は1948年設立の老舗の海苔産地問屋。地域産品を熟知し、漁協関係者と一体的となって商品の開発から販売を行うなど、古くから地域に根ざした事業を展開する。
主力商品は、家庭向け、業務向けの各種海苔製品であり、日本有数の海苔産地である有明海との近接性を生かし、粒状の海苔を楽しめる「まる干し粒海苔」や「わさび海苔」など、価格や品質の異なる幅広いオリジナル商品を取り扱い、地元熊本だけでなく全国各地に販売網を広げている。
同社が活用したジェトロの主なサービス・支援
セミナー・講演会参加 |
貿易投資相談 |
海外ブリーフィングサービス |
商談会参加:九州食品輸出商談会 in 熊本 |
バイヤー招へい |
想定外、国内商談会で中東バイヤーと出会う
約25年前から海外市場開拓に着手し、ロンドンの日本食レストラン向けなどで実績をつくったが、大半は国内取引によるもので、飛躍的な売上げ拡大にはつながらなかった。他方、韓国産海苔の台頭で海外市場の競争が激化するなか、熊本県物産協会主催のロシアミッションや同県主催のシンガポールミッション、ジェトロのセミナーなどに参加し、新たな輸出先の発掘を模索した。世界の海苔市場が拡大するなか、高品質の日本産が伸びる余地は十分あると見込んだが、有力バイヤーと出会う機会は少なく、独自に見つけ出す方法も見つからなかった。
2013年11月、ジェトロ主催の「九州食品輸出商談会 in熊本」で、アラブ首長国連邦(以下、UAE)のバイヤーが同社製品に関心を示した。中東市場は当初、輸出先として想定していなかったが、高品質の同社製品は富裕層向けとなること、また生鮮野菜の生産量が少ないUAEでは栄養価が高い海苔が代替食材となりうることから、「未知のマーケット」に挑むことになった。
売れると想定したもの、売りたいと希望した商品だけにこだわらず、バイヤーのニーズに合致するよう、価格帯の異なる多様な商品ラインナップを提案した。商談会後も、個別相談により支払い条件を確認するなど、ジェトロ熊本が商談を継続的にフォローアップ、バイヤーが日本の商社とのネットワークを有していたことも奏功し、成約に漕ぎ着けた。
地元での新規市場開拓機運高まる
14年2月、業務用の焼海苔150万円相当を、現地日本食レストラン向けとしてUAEに輸出、同年7月には追加で100万円相当を追加輸出した。UAEへの輸出で、海外売り上げは従来の約10倍に拡大した。
これを契機に海苔の生産者を含めた地元関係者の海外展開機運が更に高まっている。新規市場開拓への期待が膨らみ、バイヤー招へい商談会や海外ミッションといったジェトロのサービスを、地元全体で積極的に活用していく考えだ。
海外で高まる日本食人気に期待
専務取締役 吉田 佳樹 氏
世界中の日本食レストランで海苔の需要拡大が期待できる。更なる海外販路開拓を目指したい。
ご利用いただいたジェトロのサービス
- 展示会・商談会への参加
海外販路開拓のきっかけとなる展示会・商談会への出展をサポートします。 - 貿易投資相談
本部(東京)、大阪本部、国内各地の貿易情報センターなどでは、お客様から電話、Fax、E-mailで寄せられるご相談にお答えします。
株式会社吉田屋海苔
熊本県熊本市二本木1-2-39
Tel:096-322-1231
http://www.nori-menu.com/
従業員:5名 資本金:1,000万円
2015年3月