株式会社浄法寺漆産業
ニューヨークでの販路開拓に注力
株式会社浄法寺漆産業
岩手県盛岡市
http://www.japanjoboji.com/
漆の精製・販売及び漆器の販売
<輸出> 対象国・地域:中国、米国、スイス、オランダ
写真:Urushito Glass(ウルシトグラス)
浄法寺漆の新たな魅力を体現
漆の精製と販売を行う浄法寺漆産業は、岩手県職員として浄法寺漆の魅力に触れてきた松沢氏が、漆文化の伝承と振興のため2009年4月に起業。日本国内で使用されている漆原料の約98%が中国産であるが、同社が所在する二戸市浄法寺の地域は国内最大の生産量を誇る産地だ。
同社の主力商品は浄法寺産100%のチューブ入り漆だが、漆に精製加工を施した精製漆や漆器も販売している。付加価値を高めるため、「漆と何かを合わせた展開」をテーマに、山口県産のグラスとコラボレーションした商品「Urushito Glass(ウルシトグラス)」を開発した。岩手県産の漆と山口県産の萩ガラスという、漆のぬくもりとガラスの軽やかさが絶妙にコラボレーションした、日本産の素材とモノづくりにこだわる商品だ。「ウルシトグラス」などの同社の商品はグッドデザイン賞(中小企業庁長官賞)を受賞するなど、漆の魅力を存分に伝える。
同社が活用したジェトロの主なサービス・支援
セミナー・講演会参加 |
貿易投資相談 |
輸出支援相談サービス(海外コーディネーターリテイン事業) |
見本市・展示会への出展支援 |
商談会参加 |
バイヤー招へい |
輸出有望案件支援サービス(2012年3月~14年3月) |
ミッション派遣:中国市場開拓 |
アジア・キャラバン事業 |
ジェトロの商談サポートで海外輸出を実現
漆器に対する国内需要の低迷や、県職員時代に海外のデザイナーの訪問を受け入れた経験などから海外の市場性を感じていたため、松沢氏は起業当初から海外販路開拓の必要性を感じていた。
同社はまずジェトロ盛岡に相談するとともに、ジェトロの貿易実務講座やセミナーに積極的に参加、貿易実務や海外の市場概況、海外のニーズについて情報収集した。そして、11年の中国市場開拓ミッションや12年のニューヨーク国際ギフトフェアへの参加をきっかけに、本格的に海外展開に動き出した。ジェトロ盛岡の所員も商談に同行するなど、積極的にバックアップした。
多くの展示会への出展を重ねるうち、11年の国際見本市インテリアライフスタイル(東京)で出会った中国のバイヤーと12年の「デザインセレクトin仙台」輸出商談会で再会する。ジェトロの職員や専門家のアドバイスを得ながら商談を進めた結果、契約が成立、中国への初輸出となる取引が実現した。
ニューヨークでの販路開拓に注力
現在、海外での売上は総売上の約10%を占める。当初、貿易は非常に困難なものと考えていた同社だが、実際に輸出が実現したことで自信を得て、PRにもいっそう力を入れている。従業員は松沢氏のみだが、海外には少なくとも年に1度は出向く。
最近では特に、ニューヨークでの販路開拓に力を入れ、12年、13年と連続でNY NOW(北米最大級のデザイン雑貨・日用品見本市)に出展、また13年、14年にも二戸市がニューヨークで開催する展示会に実行メンバーとして参加した。
同社は12年からジェトロの輸出有望案件支援企業に採択されている。ジェトロのサポートを活用しながら、「ウルシトグラス」をはじめとする古くて新しい商品を武器に、世界に売り込みをかけていく。
日本の文化である漆の魅力を世界に
代表取締役 松沢 卓生 氏
日本の漆は9000年の歴史があると言われており、世界で最も古く、最も品質が高い。漆は自然由来であり、科学塗料以上に美しいもので、日本にとって漆は文化ともいえる。こうした文化をもっと多くの世界の人に伝えていきたい。
ご利用いただいたジェトロのサービス
- 展示会・商談会への参加
海外販路開拓のきっかけとなる展示会・商談会への出展をサポートします。 - 貿易投資相談
本部(東京)、大阪本部、国内各地の貿易情報センターなどでは、お客様から電話、Fax、E-mailで寄せられるご相談にお答えします。 - 輸出有望案件支援サービス
輸出戦略の策定から契約締結まで専門家がお手伝いします。優秀な製品を持っていながらこれまで輸出経験がない、あるいは輸出ビジネスを躊躇している中小企業が対象です。
株式会社浄法寺漆産業
岩手県盛岡市上ノ橋町1-46-501
Tel:019-656-7829
http://www.japanjoboji.com/
従業員:1名 資本金:300万円
2015年3月