外国人就労手続きに関する制度を改定

(インドネシア)

ジャカルタ発

2018年04月17日

インドネシア政府は6月末、外国人の就労手続きを改定し新制度を導入する。外国人労働者利用に関する大統領規程2018年第20号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3月29日付)が発布され、3カ月後に施行することを定めた。

従来、外国人労働者が取得していた就労許可証(IMTA)を撤廃し、雇用主(インドネシア現地法人など)が取得する外国人労働者雇用計画書(RPTKA)の承認をもって就労可能とする。外国人労働者は、これまでも取得していた滞在許可(ITAS)のみを取得することになる。雇用主は、外国人労働者のデータを労働省に提出し、省庁および勤務地の地方政府で共有される。なお、本大統領規程の施行前に取得したIMTAは、有効期限が切れるまで引き続き有効となる。

手続きの迅速化・簡素化に期待

今回の改定により、手続きの迅速化・簡素化が期待される。雇用主が取得するRPTKAは、労働省が申請書類一式を受け付けてから2日以内に承認すると定められた。一方、外国人労働者自身が在外公館などで取得する一時滞在査証(VITAS)については、滞在許可(ITAS)と同時に申請し、VITAS取得後の入国時に入国管理所(空港など)でITASを発行すると定めた。

また、株主である取締役やコミサリス(社外監査役)の就労についてはRPTKAを取得する義務がない。さらに、「緊急あるいは差し迫った業務」の場合、就労開始後2日以内に、RPTKAを申請すればよい。「6カ月以内の一時的業務(監査、生産の品質管理、インドネシア支社の査察、機械の据え付け・保守)」については、既存のRPTKAを更新することで就労することができる。

インドネシア語研修支援を義務化

他方、雇用主は、外国人労働者によるインドネシア語教育・研修を支援する義務があると定めた。インドネシア語に関しては、2013年に労働大臣規程第12号で、外国人労働者の要件としてインドネシア語のコミュニケーションを求めていたが、その後、2015年第16号で撤回していた。今回の大統領規程でインドネシア語の習得に関する文言が出てきたことで、今後どのような運用となるかが注目される。今後、本大統領規程の詳細は、労働大臣規程などで定められる。

(山城武伸)

(インドネシア)

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