東北3省、国内経済先進地域との連携を強化

(中国)

大連発

2018年04月19日

国家発展改革委員会は、東北3省と、直轄市や華東・華南地域を中心とした国内の経済先進地域との連携を促進する具体策を発表した。

東北地域の行政体制の改善と産業の活性化を実現し、経済が鈍化している東北経済の立て直しを図る。遼寧省と江蘇省、吉林省と浙江省、黒龍江省と広東省、遼寧省瀋陽市と北京市、同省大連市と上海市、吉林省長春市と天津市、黒龍江省ハルビン市と広東省深セン市がそれぞれ連携する。

これら地域での連携の取り組みは、国務院が2017年3月に発表した「東北地区と東部地区の一部の省市における1対1の合作に関する方案」を受けて既にスタートしており、今回は同方案を具体化させたかたちとなる。なお、同委員会による発表は3月30日。

産業の連携をさらに促進

遼寧省政府は4月11日、江蘇省とのさらなる連携に関する発表を行い、連携の実施策、両地域の連携の実績、今後の取り組みについて紹介した。

江蘇省の市場経済における政策運用や行政ノウハウの習得を通じて、遼寧省の行政体制の改善や国有企業改革、両地域の産業の連携、イノベーションや人材交流などを進めるとした。

このうち、産業の連携は最も重要な分野とされている。具体的には、物流や金融などの現代サービス業、ロボット、スマート設備、新材料などの新興産業に加えて、設備製造業、省エネ・環境保護、港湾物流、観光業、医薬・ヘルスケア、農業なども重要な分野とされた。また、江蘇省の資本や技術を導入して遼寧省の産業の高度化を図るとともに、遼寧省の良質な工業製品、農産品、観光資源を、江蘇省の資金、販売ネットワーク、販促ノウハウを生かして発展させるとした。

2017年末に両地域間(注)で締結されたプロジェクト数は60件、投資見込み額は209億元(約3,553億円、1元=約17円)となった。例えば、江蘇省沙鋼集団は、東北鉄鋼など3社の立て直しに参入する枠組協議書を締結している。

(注)瀋陽市と大連市は含まれない。

(呉冬梅)

(中国)

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