IE-EXPO、環境モニタリングビジネスが好調

(中国)

上海発

2018年05月15日

毎年上海で開かれるアジア最大規模の中国環境博覧会(IE-EXPO China 2018、以下、IE-EXPO 2018)が5月3~5日にかけて上海新国際博覧中心で開催された。今回は中国を含む、アメリカ、ドイツ、フランス、日本、韓国など15カ国・地域から、過去最多の1,762社(うち日系企業36社)が出展した。会期中は約6万6,580人の来場者があった。

IE-EXPO 2018は、汚泥・汚水処理(5ホール)、土壌と地下水修復(2ホール)、大気汚染処理・環境モニタリング(2ホール)、リサイクル・廃棄物処理(2ホール)の11の展示ホールと1つの室外展示エリアから成り、展示面積は延べ12万8,000平方メートルだった。

2018年の特徴は、中国の大手環境企業である北京首都創業集団、盈峰環境科技集団などのブランド企業館が新たに誕生したこと、また、大気汚染処理・環境モニタリング館が1ホールから2ホールへとなり展示面積が倍増したことだ。特に、環境モニタリング企業の出展者数は前年比2割増の139社となった。

環境モニタリングビジネスが注目株

環境モニタリングについては、2010年に環境保護部による「2010年全国環境モニタリング作業要点」発表後、急速に発展している。前瞻産業研究院によると、環境モニタリング産業の市場規模は2010年の126億8,200万元(約2,155億9,400万円、1元=約17円)から2015年に367億3,300万元に増え、5年間で約3倍となった。また、第13次5カ年計画期間中である2020年までに環境モニタリング産業市場の規模は900億元を超えるという予測もある(表参照)。

表 第13次5カ年計画期間の環境モニタリング産業の市場規模予測

2017年ごろから重点汚染排出企業には、オンラインモニタリングシステムを構築し政府部門とネットワーク接続することが求められた。また、2018年1月に環境保護税が導入され排出汚染物質の量を正確に測定しなければならないなど政策の後押しもあり、環境モニタリング産業には今後大きな成長が見込まれる。

(張潔菁、呉秀媛)

(中国)

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