アリババ、公道テスト可能な自動運転車完成

(中国)

上海発

2018年04月24日

アリババ傘下の先端技術研究開発機構である達磨院(Damo)は4月16日、公道テストが可能な自動運転技術レベル4(注)以上のプロトタイプ車を完成させた。プロトタイプ車は、米自動車大手フォードの中型セダン「リンカーンMKZ」にアリババの自動運転技術を搭載したものだ。アリババが自動運転技術分野への参入を発表するのは、今回が初めて。

BAT3社が自動運転技術分野でも激戦

頭文字を取ってBATと呼称される検索エンジン大手の百度(Baidu)、電子商取引(EC)大手のアリババ(Alibaba)、SNS大手のテンセント(Tencent)の3社は、自動運転技術分野でも激しい競争を展開し、技術開発や自動車メーカーとの事業提携を強化している。中でも、百度は最も早く同分野に参入し、2014年7月には「百度無人運転自動車」開発プロジェクトを発足した。また、2017年11月16日の「2017百度世界大会」では、2018年7月末までにバスメーカーの金竜汽車と無人運転のミニバスを量産・テスト運営し、2019年に江淮汽車、北京汽車と、2020年に奇瑞汽車と共同開発した無人運転車を発売する計画を公開した。2018年4月9日には、長城汽車とコネクテッドカー、自動運転、自動車シェアリングサービス、ビッグデータの4分野で事業提携を展開するとの協定を締結した。

一方、テンセントは2018年4月12日、長安汽車との事業提携の協議書に署名した。両社は4月末~5月初めに合弁会社を設立し、コネクテッドカー、人工知能(AI)、5G、自動運転の共同開発を展開する方針だ。また4月15日には、吉林省政府および第一汽車と戦略提携枠組み協定を締結した(2018年4月23日記事参照)。第一汽車とコネクテッドカー、レベル3~4の自動運転技術を共同で開発する計画だ。

(注)「官民ITS構想・ロードマップ2017」の自動運転レベルの定義によると、レベル1:運転支援(システムが前後・左右のいずれかの車両制御に係る運転タスクのサブタスクを実施)、レベル2:部分運転自動化(システムが前後・左右の両方の車両制御に係る運転タスクのサブタスクを実施)、レベル3:条件付運転自動化〔(システムが全ての運転タスクを実施(限定領域内)。作動継続が困難な場合の運転者は、システムの介入要求などに対して、適切に応答することが期待される)〕、レベル4:高度運転自動化〔(システムが全ての運転タスクを実施(限定領域内)。作動継続が困難な場合は、利用者が応答することは期待されない)〕、レベル5:完全運転自動化〔(システムが全ての運転タスクを実施(限定領域内ではない)。作動継続が困難な場合、利用者が応答することは期待されない)〕。

(文涛)

(中国)

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