放射線規制の対象県を変更

(アラブ首長国連邦)

ドバイ事務所

2013年09月17日

アラブ首長国連邦(UAE)政府は8月25日、日本から食品を輸出する際に放射性物質検査の証明書の添付が必要な県を変更すると、各首長国に通知した。規制対象15都県から秋田と山形を除外し、神奈川と青森を追加した。現地では、福島第1原子力発電所の汚染水問題を取り上げる報道もあり、今後の日本の汚染水対策が規制縮小に向けたカギの1つになる可能性がある。今回、規制縮小を期待していた現地日系企業には落胆の色もみえる。

<秋田と山形を除外、神奈川と青森を追加>
UAE政府は、これまで放射性物質検査証明書の添付が必要な地域として、15都県を規制対象として指定していた。8月25日、UAE政府は規制対象とする15都県のうち、2県を除外し2県を追加する、との通知をUAEの各首長国宛てに出した。

今回、規制対象から除外されたのは秋田県と山形県。追加されたのは、神奈川県と青森県。なお、現地の報道は、当該関係記事とともに昨今の福島第1原発の汚染水の問題を取り上げていることから、今後の日本での汚染水対策が、規制縮小・撤廃に向かうかどうかというUAE政府の動向を左右するカギの1つとなる可能性がある。

今回のUAE政府の決定は、対象県を変更したのみで、ドバイ市政庁およびアブダビ市政庁の各食品管理部門における輸入通関時の必要書類などの実務面での変更はない。この決定に対し、現地で日本産食品を取り扱う企業からは「残念だが、汚染水報道の大きさを考慮すると仕方がない」との声も聞かれた。ただ、規制縮小を期待していただけに落胆の色は隠せない様子だった。「引き続き、手続きに注意しながら、万全の態勢で日本産食材を輸入していく」という。

○旧規制都県:福島、群馬、茨城、栃木、宮城、山形、新潟、長野、静岡、秋田、岩手、山梨、埼玉、東京、千葉
○新規制都県:福島、群馬、茨城、栃木、宮城、神奈川、青森、新潟、長野、静岡、岩手、山梨、埼玉、東京、千葉
(都県記載順序は、8月25日付UAE政府資料による)

(栗栖輝光)

(アラブ首長国連邦)

ビジネス短信 5232911db7598