水産養殖産業の拡大に向け、政府支援を拡大

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2018年05月14日

経済発展省は5月7日、関税および非関税調整・対外貿易保護措置小委員会の定期会合を開催。給餌機など水産養殖機材に係る輸入関税を2020年までゼロとする決定を採択した。ロシアの水産養殖業者の競争力強化と水産養殖規模の拡大が目的としている。

政府は水産養殖業への支援を積極的に拡大している。プーチン大統領は4月23日、政府支援対象とする漁業災害補償の範囲を水産養殖業まで拡大する連邦法の修正に署名。2019年1月1日から、水産養殖業者が負担する年間の保険料を連邦政府が一部負担する。

4月18日にはアレクサンドル・トカチョフ農業相が省幹部との会議で、4月21日から政府による優遇融資の対象に水産養殖業を含む複数の農林水産分野を含めることを発表。事業者は今後年率5%以下の優遇金利でロシア農業銀行から融資を受けることが可能となった。

このほか、報道によると、農業省は現在、水産養殖業への(資本)投資への補助金の適用を検討しているほか、今後3年間で水産養殖分野に年3億5,300万ルーブル(7億600万円、1ルーブル=約2円)の支援を行うとしている(「アグロインベストル」2018年5月号)。

連邦漁業庁の発表によると、ロシアの2017年の水産養殖水揚量は前年比7%増の21万9,700トンだった。

(高橋淳)

(ロシア)

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