7月1日から部分水素化油脂の使用禁止

(台湾)

農林水産・食品課

2018年05月16日

部分水素化油脂(水素化処理をされているが完全飽和に達せず、ヨウ素価が4を超えるもの)の食品への使用禁止に関する期限が迫っている。台湾の衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)は2016年4月22日、「食用硬化油の使用規制外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(部授食字第1051301038號)を公告し、2018年7月1日に施行すると定めている。

ヨウ素価が4を超える部分水素化油脂は使用禁止に

TFDAが発表した公告の概要は、次のとおり。

  1. 食用硬化油は完全水素化油脂(Fully hydrogenated oils,FHOs)および部分水素化油脂(Partially hydrogenated oils,PHOs)を含む。完全水素化油脂は、水素化処理され完全飽和あるいは完全飽和に近く、ヨウ素価が4より小さいあるいは等しい油脂を指し、食品に使用できる。
  2. 部分水素化油脂は、水素化処理されているが完全飽和に達せず、ヨウ素価が4を超えるものを指し、食品に使用できない。

本公告は2018年7月1日(製造日を基準)に施行される。違反者は、食品安全衛生管理法第48条により一定期間内での是正が命じられる。是正措置を講じなかった場合は、3万台湾元以上300万台湾元以下(約11万1,000円以上約1,110万円以下、1台湾元=約3.7円)の罰金が科される。

トランス脂肪酸の摂取減が狙い

部分水素化油脂は、常温で液体の植物油などから固体または半固体の油脂製品を製造する際に、不飽和脂肪酸にある炭素間の二重結合の一部に水素を付加したものであり、水素非添加や完全添加の油脂と比較してトランス脂肪酸を多く含む。TFDAのプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、「研究調査によると、人工トランス脂肪酸の摂取量を制限することは、冠動脈疾患のリスク低減に役立つ」としており、「健康を守るため、また食品に含まれる人工トランス脂肪酸が人体の健康に危害を与えないよう」「安心して食してもらうために本規制を制定した」としている。

農林水産省のトランス脂肪酸に関する情報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参考のこと。

(川原文香)

(台湾)

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