メキシコ経済省、アルミニウムの輸入自動通知を5月25日から義務付け

(メキシコ)

メキシコ発

2026年05月20日

メキシコ経済省は5月14日の公報で、アルミニウムの輸入自動通知(AAA、2026年4月6日記事参照)がメキシコ貿易単一窓口(VUCEM)で5月18日より申請可能となり、5月25日以降、輸出入申告書(Pedimento)への記載が義務付けられると通知した。また、同日にAAAに関する「よくある質問PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」とVUCEMでの申請マニュアルPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公表した。

今回公表された「よくある質問」における重要なポイントは、VUCEM入力完了後に即時で決定通知書(Oficio de Resolucion)がダウンロードできることだ。鉄鋼の輸入自動通知(AAIPS、注1)では、経済省の承認期限が10営業日となっていた上、その承認期限よりも遅れることがあり、通関遅延が発生していた。しかし、AAAでは承認プロセスはなく、VUCEM上で電子署名(efirma)を入力し、必要事項を入力完了したら即時発行されるため、通関遅延の心配は解消されたと考えられる。また、「よくある質問」において、AAAの申請時に必要事項に関する根拠資料の提出を義務ではないとしたが、VUCEM上では添付可能としている。そして、輸出入申告書の商品情報記載欄(Nivel Partida)非関税規制(RRNA)欄のコードとして「AL」を入力し、補足欄に決定通知書記載の承認コード(14文字の英数字の組み合わせ)を入力することとした。

いまだ残る運用の疑問点に注意

ジェトロが通関コンサルタントにヒアリングしたところ、メキシコのHSコードでは純正インゴットと再生インゴットが区別されていないため、特に再生インゴットの製錬国の取り扱いに注意が必要との指摘があった。VUCEMのマニュアルでは、「主な製錬国」の選択においては「アルミナを溶融し、アルミニウム金属に変換する工程が行われる国」としている(注2)。つまり、再生インゴットの場合は、再生時にアルミナを精錬しないため,最初のアルミナ精錬国までさかのぼる必要があるように思えるが,現実的には不可能である。また、再生アルミニウムを使った当該規制対象となるアルミニウム製品についても同様であり、今後の運用を注視する必要がある。

また、「よくある質問」で、経済省はAAAの有効期限を4カ月とし、有効期間中に許可された利用枠を使い切るまで、複数の取引で利用可能だと説明した。しかし、AAAでは、製品の金額、重量、単価を入力する必要がある。同一製品、同一価格であれば期限内に複数活用できる可能性は高い。一方で、同省が貿易に関する規則・指針を定める省令(通称、経済省貿易細則)の第1.3.9則(注3)や今後施行予定の税関価格申告書の電子申請(MVE、注4)では、各種申請書類に記載の情報が虚偽や偽造とみなされた場合、罰則が設けられている。こうした観点から、詳細な運用が判明するまでは複数回の利用は慎重に行う必要があるとの見方もある。

現状では、製品情報や価格が変更される可能性がある場合は都度申請することになるが、AAAの複数回利用について経済省からの詳細な説明が待たれる。

(注1)鉄鋼の輸入自動通知については、2026年3月18日付地域・分析レポート(1)2026年3月18日付地域・分析レポート(2)参照。

(注2)AAAの申請マニュアルでは、製錬プロセスが複数の国で行われた場合は、アルミナが最も多く製錬された上位2国を申告することとしている。また、鋳造国は溶解したアルミニウムを鋳型に流し込み、特定の固体形状(インゴット、プレート、バー)にする工程が行われる国を申告するとしている。

(注3)経済省貿易細則第1.3.9則を一部抜粋すると次のとおり。特に定めがない限り、経済省は当該決定の通知から5年間、経済省またはいかなる当局に対して虚偽の情報または偽造・改ざんされた書類を提出した代表者(その法定代理人、パートナーおよび/または株主を含む)、または経済省に対して申告した目的とは異なる目的で、経済省が発行する文書または決定書(経済省が発行する文書、登録簿、プログラム、認証、認可に関連するあらゆる文書または決定書を含む)を改ざん、偽造、または使用した代表者に対して、新たな認可を発行しないものとする。

(注4)税関価格申告書の電子申請(MVE)の詳細は、2026年3月12日付地域・分析レポート参照。

(阿部眞弘)

(メキシコ)

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