キルギス政府と日本企業がIT・イノベーション分野の協力を大阪で協議

(キルギス、日本)

調査部欧州課

2025年06月13日

エディル・バイサロフ閣僚会議副議長(副首相)を団長としたキルギス政府の訪日団が65日、大阪の一般社団法人ナレッジキャピタルを訪問し、同国企業と日本企業のイノベーションやIT分野でのビジネス協力について協議した。

写真 会談の様子(ジェトロ撮影)

会談の様子(ジェトロ撮影)

バイサロフ副首相はキルギスの経済について、高い成長が続いており、58年後の経済規模は現在の約3倍になる見込みだと説明した。また、日本とキルギスの間で、特にイノベーションなどのクリエーティブな分野での関係を深めたいと強調した。同国のサディル・ジャパロフ大統領も両国間の同分野の発展を期待しているという。

写真 左からエルキンベク・オソエフ駐日キルギス大使、バイサロフ副首相、ヌルベク・タシベコフ大統領府政治経済研究局長(ジェトロ撮影)

左からエルキンベク・オソエフ駐日キルギス大使、バイサロフ副首相、ヌルベク・タシベコフ大統領府政治経済研究局長(ジェトロ撮影)

ナレッジキャピタルの野村卓也総合プロデューサーは、20231120日にジャパロフ大統領とジェトロの石黒憲彦理事長の立ち会いのもと、キルギス・ハイテクパークと締結した協力覚書について触れ(2023年11月ジェトロ・トピックス参照)、両国間のIT・イノベーション分野の発展を期待した。

本会合は、20248月にキルギス大統領府付属国家投資庁、キルギス・ハイテクパーク、ナレッジキャピタル、ジェトロの4者が締結したキルギスの大阪・関西万博への参加に関する協力覚書(2024年8月ジェトロ・トピックス参照)に基づいて開催された。会合には、キルギス側から政府、国家投資庁、キルギス・ハイテクパークなどの代表者14人、日本側はナレッジキャピタル、ジェトロ関係者のほか合田秀樹駐キルギス日本大使の8人が出席した。

会合後に行われたナレッジキャピタルの会員向け交流会「木曜サロン」では、キルギス・ハイテクパーク総裁のアジズ・アバキロフ氏が登壇し、IT分野におけるキルギス企業の魅力について、a.技術力、b.コミュニケーション能力、c.コスト競争力、d.ITインフラの4つを挙げた。米国シリコンバレーの企業もアウトソーシング先にキルギスの企業を選んでいるという。アバキロフ氏は、キルギスには日本語でもコミュニケーションが可能な人材が豊富で、インターネット料金が世界で2番目に安いことも有利な点として紹介した。

写真 「木曜サロン」の様子(ナレッジキャピタル提供)

「木曜サロン」の様子(ナレッジキャピタル提供)

写真 登壇したアバキロフ総裁(ナレッジキャピタル提供)

登壇したアバキロフ総裁(ナレッジキャピタル提供)

ナレッジキャピタルとハイテクパークの協力覚書に基づき、ナレッジキャピタルの直営施設「The Lab.(ザ・ラボ)」(グランフロント大阪北館3階)では、キルギスの投資環境のパネル展示やハチミツなどの産品の展示・販売が行われている。出展期間は51日から1031日まで。

写真 キルギス産品展示を視察するバイサロフ副首相(ナレッジキャピタル提供)

キルギス産品展示を視察するバイサロフ副首相(ナレッジキャピタル提供)

(小野塚信)

(キルギス、日本)

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