香港政府、香港証券取引所の活用呼びかけ

(香港、中国、米国)

香港発

2025年04月16日

香港政府の陳茂波(ポール・チャン)財政長官は4月13日、政府が運営するブログで「米国が世界の貿易相手国に『相互関税』を課すと発表して以来、国際金融市場は大きな変動に見舞われている。投資家は米国経済が景気後退に陥ることを心配しており、世界経済の先行きも懸念している」と示した。

また「グローバル市場の変化と新たな需要に基づき、香港域外からの資本や人材、企業誘致を加速させる」とも強調した。

同ブログでは、相互関税に対するこれまでの香港政府の取り組みを紹介しつつ、新たに香港証券取引所の活用を呼びかけた。具体的には、海外の証券取引所に上場する中国企業が回帰を希望する場合には、香港を優先的な上場場所とする必要性に備えるよう、香港証券先物委員会と香港証券取引所に指示したと示した。香港証券取引所は、ASEANや中東の市場への働きかけと協力を強化し、より多くの現地企業の香港証券取引所上場を誘致すると同時に、より多くの国際資本を香港に呼び込み、国際金融センターとしての香港の強みと地位をさらに高めることを視野に入れているとした。

(松浦広子)

(香港、中国、米国)

ビジネス短信 9bdc6b8c532cb8ed