ブラジルの3月物価、前月比0.56%上昇、食品値上がり響く
(ブラジル)
サンパウロ発
2025年04月16日
ブラジル地理統計院(IBGE)は4月11日、同国の代表的な物価指数の拡大消費者物価指数(IPCA)について、3月の上昇率を前月比0.56%と発表した(添付資料表参照)。1~3月累計では2.04%、直近12カ月の上昇率は5.48%に達した。
費目別の9項目の全てが上昇し、中でも飲食料品(1.17%)が最も上昇率が高かった。次いで個人的支出(0.70%)、衣類(0.59%)が続いた。寄与度でみると、飲食料品(0.25ポイント)が高く、寄与度全体の約45%を占める。飲食料品では、トマト(22.55%増)、コーヒー(8.14%増)、卵(13.13%増)が大きく上昇した。
IBGEのフェルナンド・ゴンサルベス物価指数アナリストはトマトについて、「夏の暑さにより成熟が早まり、一部地域で収穫が前倒しされたため、3月分の供給が縮小し、価格が上昇した」と説明している。コーヒーの上昇要因としては、ベトナムでの天候不順による不作の影響で国際価格が高騰し、多くの生産者が輸出を優先したことや、ブラジル国内の干ばつにより生産量が減少したことが挙げられる。卵は「鶏の飼料であるトウモロコシのコスト上昇が押し上げ要因の1つだ。トウモロコシの価格上昇要因は、生産拠点のブラジル南部と南東部で収穫適正期が通常よりも遅れており、収穫量が例年より減少したにもかかわらず、トウモロコシを飼料とする鳥や豚といった家畜生産の需要が高まっていることによるものとサンパウロ大学は分析している(3月25日付現地紙「テンポ」)。また、3月には四旬節(注)が始まり、その影響でたんぱく源として卵の需要が高まった」とゴンサルベス氏は述べている。
(注)四旬節とは、キリスト教の復活祭前日までの46日間から日曜日を除いた40日間の内省時期。食事の節制として、食肉の代わりに卵を食べる人もいる。四旬節は復活祭と同様に移動祝祭日で、2025年には3月5日に始まり、4月17日に終わる。
(エルナニ・オダ)
(ブラジル)
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