米イリノイ州知事、貿易とクリーンエネルギー分野のビジネス強化で英国との覚書に署名

(米国、英国)

シカゴ発

2025年04月16日

米国イリノイ州のJ.B.プリツカー知事(民主党)は4月8日、エネルギー、テクノロジー、ライフサイエンス分野の製造業の発展に焦点を当てた同州と英国間の覚書に署名外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。この覚書は米英間の長年にわたる貿易関係を基盤としたもので、既存の貿易関係の拡大に重点を置く。

プリツカー知事は「今こそ、イリノイ州のような州が主要貿易相手国と健全な関係を構築し維持することが不可欠だ」と述べた。また、リチャード・ハイド駐シカゴ英総領事は「英国とイリノイ州の貿易関係は既に強固なものだ。英国の企業は10万人以上のイリノイ州民を雇用しており、英国への輸出はさらに2万6,000人の雇用を支えている」と述べた。

現在、同州から英国への主な輸出品には、化学製品、コンピュータ関連製品、金属加工製品などがある。同州の英国向けの輸出は2024年に26億7,000万ドルになり、英国は同州にとって8番目に大きな輸出相手国となった(日本は26億ドル弱の輸出額で、9番目の輸出相手国)。

プリツカー知事は、同州に現在設けられている外国貿易地域(Foreign Trade Zones: FTZ)利用による一部の企業の保護など、トランプ政権が発動した関税による影響を軽減する方法を模索しているが、「それを実行するには限界がある」としている(政治専門紙「ポリティコ」4月9日)。

プリツカー知事は、トランプ政権による追加関税の賦課が同州の製造業や農業部門に悪影響を及ぼし、商品の値上がりなどで労働者層の生活を苦しくするとの理由から、これまで一貫して否定的な立場を取っている(2025年3月6日記事参照)。

(星野香織)

(米国、英国)

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