英国製薬大手アストラゼネカ、北京に研究開発センターを新設
(中国、英国、米国)
北京発
2025年03月26日
英国製薬大手のアストラゼネカは3月21日、中国の北京経済技術開発区内の北京医薬イノベーションパークにグローバル戦略研究開発センターを設立することを発表した。投資額は25億ドル。同社の研究開発センターとしては世界で6カ所目、中国では上海市に続き2カ所目となる。
今回新設する北京の研究開発センターでは、最先端の人工知能(AI)とデータサイエンスを用いて、初期段階研究と臨床開発を推進するとしている。
同社発表では、今回の投資は今後5年間における北京市政府および北京経済技術開発区との戦略的提携の一環としている。また、投資の背景として、北京市が有する世界水準のライフサイエンスエコシステム、豊富な共同研究や人材アクセスの機会、中国に対する同社の継続的な取り組みに対する信念を反映しているとした。北京市の最先端の生物学およびAI科学と連携し、世界中の患者に向けて革新的な医薬品を届けるという同社の世界的な取り組みの重要な一部となるとしている。
北京市政府によると、2024年の北京市の医薬衛生関連産業の規模は前年比8.7%増の1兆600億元(約22兆円、1元=約21円)となり、中国ではじめて1兆元を突破した都市となった。同市は医薬衛生関連の外資企業の誘致に注力しており、2024年には米国ファイザー、米国メルク・シャープ&ドーム、米国イーライリリー、米国ダナハー、フランスのサノフィ、スイスのノバルティスなどが北京市に拠点を設立するプロジェクトを進めたと説明した。そのうち、サノフィはインスリンの原薬の生産拠点を約10億ユーロ投資して新設することを発表している(2024年12月13日記事参照)。
また、メドトロニック(本社:アイルランド、オペレーション本部:米国)は3月24日、北京医薬イノベーションパークでデジタルヘルスケアイノベーション拠点設立の調印式を行った。同拠点は、AIとビッグデータに基づく疾病管理ソリューションの研究開発を行い、研修センターやケアセンター、メドトロニックミュージアムを設置するとしている。
(亀山達也)
(中国、英国、米国)
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