2月の貿易赤字は140.5億ドルに縮小、3年超ぶり低水準
(インド)
ムンバイ発
2025年03月21日
インド商工省(MoCI)が3月17日に発表した「貿易統計(速報値)」によると、2025年2月の貿易収支は140億5,000万ドルの赤字(添付資料図参照)だった。貿易赤字は2020年6月以降続いているものの、石油製品の輸入減少などにより、2021年8月以来の低水準となった。2月の輸出額(サービスを除く)は369億1,274万ドルで前年同月比10.9%減少、輸入額は509億6,371万ドルで16.3%減少した。
輸出額の内訳をみると、電子製品37億9,113万ドル(前年同月比26.5%増)などが増加した。一方で、金額の大きいエンジニアリング製品90億8,261万ドル(8.6%減)、石油製品58億1,467万ドル(29.2%減)、宝石類25億3,291万ドル(20.7%減)、医薬品24億7,422万ドル(1.5%減)、有機・無機化学製品22億2,890万ドル(24.5%減)などは減少した。
輸入に関しては、電子製品75億7,356万ドル(前年同月比9.1%増)、電気・一般機械43億2,350万ドル(5.3%増)、化学材料・製品12億5,313万ドル(53.6%増)などが増加した。一方で、輸入額全体の約4分の1弱を占める石油製品・原油が118億9,253万ドルで29.6%減少したほか、輸送機器26億974万ドル(16.9%減)、金が23億3,809万ドル(62.0%減)、石炭・コークス等20億5,669万ドル(35.6%減)などは減少となった。
現地報道では、「輸出が、世界的な関税戦争による困難に直面している一方で、輸入の急激な減少は外国製品に対する需要の減退を示唆しており、国内産業にチャンスをもたらす可能性がある。輸出を成長させるためには、国際競争力を強化するための的を絞った取り組みが必要」との輸出団体幹部の声を紹介している(「ビジネス・スタンダード」紙3月17日)。
(篠田正大)
(インド)
ビジネス短信 f263788a3b306d82