ラオス、電力小売価格を改定

(ラオス)

ビエンチャン発

2025年03月03日

ラオスエネルギー鉱山省は2月25日付で「2025年~2029年電力料金改定に関するエネルギー鉱山省事務室告示0749号」を発布した。同告示では、2023年12月以来、据え置いていた電力小売価格について、2025年2月~2029年12月の新しい単価を規定した(添付資料表参照)。

一般住宅向けの電力価格は、これまで6段階〔0~25キロワット時(kWh)、26~150kWh、151~300kWh、301~400kWh、401~500kWh、501kWh以上〕で電力量料金単価を定めていたが、新たに2段階を追加して8段階となった(0~25kWh、26~150kWh、151~300kWh、301~400kWh、401~500kWh、501~1,000kWh、1001~1,500kWh、1,500kWh以上)。

2月の各単価は1月と比較して、30~80%と大幅に引き上げた。最も単価の安い0~25kWhの使用時の単価は、1kWh当たり355キープ(約2.4円、1キープ=約0.0069円)から641キープとなった。3月から2026年12月までは、毎月1~2%の値上げを実施するという。ただし、貧困層への救済措置として、貧困世帯に該当して月25kWh未満の電力消費の場合は無償とする。

また、工業や農業、商業などの一般事業などは、業種別と電圧別に規定しているが、今回の改定からキープからドル価へと変更した。これは、送電事業を担うラオス電力公社は電力の調達を外貨で決めているためと説明している。ラオスではキープの暴落により、ラオス電力公社の電力調達価格と小売価格が一部逆ざや状態となるなど、同社の経営に大きな問題が生じたことから、今回のドル価導入となったとみられる。

例えば、一般加工工業〔低圧0.4キロボルト(kV)〕では、これまで1kWh当たり1,509キープだったが、2025年は8.51セントとなった。一般事業(低圧0.4kV)は同1,608キープ/kWhから9.31セント、経済特区(中圧22kV)は1,482キープから9.45セント/kWhへの引き上げとなった。

ドルとキープの換算レートはエネルギー鉱山省が四半期ごとに定めるとし、輸出事業者はドルでの外貨支払いを求めた。

(山田健一郎)

(ラオス)

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