中銀が政策金利の引き下げを再開、3.75%に

(チェコ)

プラハ発

2025年02月14日

チェコ国立銀行(中央銀行)は2月6日の定例金融政策会議で、翌7日付で政策金利を0.25ポイント引き下げて3.75%とすることを決定した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。中銀は同時に、ディスカウントレート(割引率)とロンバートレート(債券担保貸付金利)もそれぞれ0.25ポイント引き下げ、それぞれ2.75%、4.75%とした。

中銀は政策金利を2022年6月以降、約1年半にわたり7.00%に据え置いていたが、2023年12月に利下げに転じ(2023年12月25日記事参照)、以後2024年11月まで8回連続で引き下げを行った。同年12月19日に開催された前回の定例金融政策会議では、インフレ率上昇の懸念から金利を据え置いたが、今回再び引き下げを実施した。

中銀は今回の決定理由として、サービス・食品価格上昇の継続、財政支出のさらなる増大の可能性、賃金上昇圧力など短期的なインフレリスクの影響によるインフレ率の大きな振れが起こっていないこと、同時に外需が依然として抑制されていることを挙げている。今後の利下げペースに関しては、低インフレ環境の持続状況のほか、通貨チェコ・コルナの為替レートの推移、財政政策の経済への影響、労働市場の状況、内需・外需の動向、国外の主要中央銀行の動向、地政学的状況などを分析した上で決定するとしている。

中銀は同日公表した冬季経済予測で、2025年のインフレ率について、2024年11月に発表した秋季経済予測PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)2024年11月14日記事参照)の2.6%から2.4%に、2026年についても2.2%から2.1%に下方修正した。また実質GDP成長率については、2024年は1.0%から0.9%、2025年も2.4%から2.0%に下方修正し、2026年の予測は2.4%に据え置いた。

一方、財務省が1月30日に発表した冬季マクロ経済予測PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)では、インフレ率について2025年は2.3%、2026年は2.1%で、中銀の予測とほぼ一致しているが、実質GDP成長率については、2024年は1.1%、2025年は2.3%、2026年は2.5%で、中銀よりやや楽観的な予測となっている。

(中川圭子)

(チェコ)

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