ケニアとエジプト、包括的戦略パートナーシップ宣言に署名

ケニアのウィリアム・ルト大統領は1月29日、エジプトを公式訪問し、アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領と、両国の包括的戦略パートナーシップ宣言に署名した。ケニアの大統領によるエジプト公式訪問は初めてで、2025年の外交樹立60周年を機に、両国政府は12本の覚書に署名し、両国関係を一層強化する方針で合意した。世界の多極化が進む中、中東やソマリア、スーダンなど地域情勢の不安定化といった厳しい局面にあり、両国が協力関係を深めるに至ったと説明している。

経済と貿易、投資の分野では、ケニア投資庁とエジプト投資・フリーゾーン庁の協力や、農業、灌漑、水処理、エネルギー、情報通信などの分野での投資促進、アフリカ大陸自由貿易圏（AfCFTA）の推進などに合意した。加えて、両国の経済関係を促進するためのエジプト・ケニア・ビジネスカウンシルを設置し、2025年末までに第1回を実施することも盛り込んだ。このほか、外交力強化のためのキャパシティービルディングにかかる協力や、ケニアのラム港湾局とエジプトのアレクサンドリア港湾庁、紅海港湾庁とケニア港湾庁とのパートナーシップも締結した。

アフリカ連合（AU）の機能強化にかかる協力や国連機構改革、気候変動などの分野でも、協力して取り組んでいく方針を確認し、ケニア側からは2月のAU総会での委員長として、ケニアが推薦するライラ・オディンガ候補への支持をエジプトに要請、エジプト側からはナイル川水源の公正な利用（2021年8月17日付地域・分析レポート参照）についても働きかけがあったとされる。

詳細は、エジプト大統領府の発表、ケニア大統領府の発表を参照。

（佐藤丈治）