アルゼンチン中銀、物価安定を受けて政策金利を29%に引き下げ

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2025年02月06日

アルゼンチン中央銀行は1月31日、政策金利を3ポイント引き下げて29%とした。インフレ率低下の予測が固まったことによる決定としている。利下げは2024年12月6日に続き、2023年12月10日のミレイ政権発足後は9度目となる。政権発足時は133%だった政策金利は1年強で104ポイント低下した(添付資料図参照)。

中銀と政府は物価上昇の抑制に重点的に取り組んでいる。中銀は1月14日、2024年10月以降は前月比2%台と安定して推移しているインフレ率をさらに抑制しようと、クローリング・ペッグによる対ドル公式為替レートの月間切り下げ幅を2月1日から1%にすると発表していた。為替レートの切り下げの継続は、インフレ期待を抑制する補完的なアンカーとしての役割を引き続き果たすとしている。

政府も物価抑制に向けた施策を導入している。2024年12月22日に外貨購入に課税するパイス税が廃止したことに続き、1月31日には自動車、オートバイ、レジャーボートなどの小型船舶に課税する内国税〔奢侈(しゃし)税〕の税率を2027年6月30日まで一時的に引き下げた。また、2月1日に予定していた液体燃料税、二酸化炭素税の増税も3月1日まで延長した。こうした措置も物価上昇の抑制につながるとみられる。

中銀がエコノミストらを対象に毎月実施する主要マクロ経済指標予測値のアンケート調査(REM)の最新の調査結果(2024年12月実施)によると、2025年のインフレ率は、中央値で25.9%となっている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)