マネーフォワード、インド南部チェンナイに開発拠点設立

(インド、日本)

チェンナイ発

2025年02月12日

クラウド会計ソフト・家計簿アプリなどを提供するマネーフォワード(本社:東京都港区)は1月28日、インド南部タミル・ナドゥ(TN)州チェンナイ市に開発拠点を開設すると発表した。同社はベトナムに2カ所の開発拠点有しており、チェンナイの開発拠点は海外3カ所目となる。

チェンナイの拠点は、市内ティルマライ地区のワールドトレードセンター(World Trade Center)に開設する。2月中の業務開始を予定しており、1年後には100人規模の人員とする予定。同拠点では、バックオフィスSaaS(注)の「マネーフォワードクラウド」など、同社の日本国内向け商品の開発強化を進める予定で、現在のところ、インド市場への参入は検討していない(2月6日ヒアリング)。

インドを選択した理由としては、チェンナイがSaaS開発にたけたIT人材が豊富なことや、ベンガルールやハイデラバードなどと比較して、採用競争が比較的穏やかなことを指摘した。また、日本では2030年までに最大で79万人のIT人材が不足するとの試算(みずほ情報総研)も、今回の拠点開設の背景にある。

TN州の高等教育進学者数(330万9,327人)はウッタル・プラデシュ州(697万3,424人)、マハーラーシュトラ州(457万7,843人)に次いで、インド第3位、進学率では47%とインド国内でトップ(政府直轄地を除く、インド高等教育調査2021/2022年度)で、TN州政府は、州の魅力として有能な人材が豊富なことを挙げている。

マネーフォワードは2017年から外国籍エンジニアの採用を開始し、2024年にはエンジニア組織の公用語を英語にするなど、開発組織のグローバル化を進め、現在は50%以上が外国籍という。

(注)ソフトウエア・アズ・ア・サービスの略。サービス提供会社のベンダーが開発したソフトウエアをベンダーが有するサーバーからオンライン経由で、ユーザーにライセンス形式で使用することができるクラウドサービスなどを指す。

(白石薫)

(インド、日本)

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